目次
3. 石川県立図書館の建築デザイン
4. 円形劇場のような書架のレイアウト

3. 石川県立図書館の建築デザイン

石川県立図書館の建築デザインの特徴は、大きく2つあります。1つは円形劇場のような吹き抜けのデザイン、もう1つは表面積を増やして窓辺の席を多く設置できるようにした外壁のデザインです。それぞれの作りと、もたらすメリットについて詳しくご紹介します。

円形劇場のような吹き抜けのデザイン

石川県立図書館(石川県)~観光できる図書館シリーズ2~
(画像=『たびこふれ』より引用)

1階の閲覧エリアの自動扉を通り抜けると、円形の書架に囲まれた吹き抜けのスペースが現れます。また、4階にはリングのスペースがあり、閲覧エリアを上から一望できます。円形劇場のように荘厳なこの絶景を見ることを、石川県立図書館に訪れる目的にしている人は少なくないでしょう。

石川県立図書館(石川県)~観光できる図書館シリーズ2~
(画像=『たびこふれ』より引用)

3階まで上がると、吹き抜けの上を通る「ブリッジ」を渡ることができます。ブリッジの途中は、オシャレな人の自宅のようなインテリアが配置されていて、非日常的なスペースに。低めの本棚には、アート・ファッションに関する雑誌が並べられています。ゆったりと座れる椅子に腰をかければ、上下左右どこを見てもこの建築を感じられる、贅沢な瞬間が訪れます。

窓辺を多く作る外壁のデザイン

石川県立図書館(石川県)~観光できる図書館シリーズ2~
(画像=『たびこふれ』より引用)

外観からもわかるように、波打つような外壁のデザインで、多くの「窓辺」ができるように設計されています。閲覧エリアの窓辺の席は、ただの窓辺ではなく、ひとつひとつ座席が壁や書架に囲まれるような形になっています。そのため、席についたときに、手元は自然光で明るく、周囲の視線を気にせずに集中できる環境が整うのです。

石川県立図書館(石川県)~観光できる図書館シリーズ2~
(画像=『たびこふれ』より引用)

高さ15mほどと比較的低めの外観からは想像がつかないほど、訪れた人が自分の時間を自分のペースで、心地よく楽しめる工夫が随所に施されています。

4. 円形劇場のような書架のレイアウト

石川県立図書館(石川県)~観光できる図書館シリーズ2~
(画像=『たびこふれ』より引用)

吹き抜けを囲むように配置された円形の書架が、段状に何層にも重なるように配置されています。この空間を「円形劇場のよう」と例える人は多いです。たくさんの人々が行き交う様は、スタジアムのようにも感じられます。

吹き抜けを囲む内部のスペースは、加賀五彩を活用して、方位によって天井のフラッグや内装が色分けされています。そのため、吹き抜けの外周をグルっと一周できるとても広い館内にも関わらず、意外にも今自分がどの辺りにいるかがわかりやすいです。

石川県立図書館(石川県)~観光できる図書館シリーズ2~
(画像=『たびこふれ』より引用)

天井部分には、加賀前田藩の成巽閣(せいそんかく)「群青の間」をモチーフにした、ブルーのカラーが採用されています。ブラウンを基調とした壁面や書架に、天井のブルーがアクセントになっています。

本を閲覧したり学習をしたりするスペースを、この吹き抜けに面するか、窓辺で風景を眺めるか。ぜひお気に入りの場所を見つけてみてください。