食品とエネルギー以外をみると、クリスマスや年末の需要拡大時期を背景に宿泊が高い伸びを記録したほか、引き続き自動車メンテナンス/修繕も力強い上昇ペースを保った。帰属家賃や家賃など住宅関連も高止まりを維持、家賃は新規契約分でマイナスが続くものの、引き続き通常1~2年契約という事情もあってサンプルに足元の動向は反映されづらいもようだ。一方で、中古車が6カ月連続で低下したほか、新車も21年1月以来のマイナスに反転。また、経済正常化の恩恵を受け上振れしていた航空運賃や3カ月連続で弱かった。エネルギー関連と食品・飲料以外で主要な項目の前月比は、以下の通り。

(上昇費目)

・宿泊 1.5%の上昇>前月は0.7%低下 ・自動車メンテナンス/修繕 1.0%上昇、9カ月連続で上昇<前月は1.3%上昇、22年6月は2.0%と1974年9月以来の高い伸び

・家賃 0.8%上昇、1986年4月以来の高い伸びに並び上昇トレンドを維持=前月は0.8% ・帰属家賃 0.8%上昇、上昇トレンドを維持し1990年6月以来の高い伸びに並ぶ>前月は0.7% ・住宅 0.8%上昇、上昇トレンドを維持しと1976年7月以来の高い伸びに並ぶ>前月は0.6%

・自動車保険 0.6%上昇、12カ月連続で上昇<前月は0.9%上昇 ・服飾 0.5%上昇、2カ月連続で上昇、前月は0.2%上昇 ・娯楽サービス 0.2%上昇、12カ月連続で上昇<前月は0.5%の上昇

・医療サービス 0.1上昇、3カ月ぶりにプラス>前月は0.7%低下、2カ月連続でマイナス ・教育サービス 0.3%上昇<前月は1.0%の上昇

(横ばい、下落項目)

・新車 0.1%の低下、2021年1月以来のマイナス<前月は横ばい ・中古車 2.5%の低下、6ヵ月連続でマイナス>前月は2.9%の低下 ・航空運賃 3.1%低下、3カ月連続<前月は3.0%の低下

CPIは前年同月比で市場予想と一致し6.5%上昇、前月の7.1%を下回り2021年10月以来の低い伸びとなる。CPIコアも市場予想通りで同5.7%、前月の6.0%を下回り2021年10月以来の低水準だった。

チャート:CPIの前年比、費目別の寄与もその他が大きい

cpi22dec_yoy (作成:My Big Apple NY)

――経済正常化を受け、特に上昇した食品関連を除く費目は自動車保険(前月:13.4%→14.2%)以外で鈍化傾向を示した。宿泊(前月:3.1%上昇→2.9%上昇)、航空運賃(前月:36.0%上昇→28.5%上昇)。新車(前月:7.2%上昇5.92%)などは、そろって前月の伸びを下回った。中古車に至っては同8.8%低下、2020年7月以来のマイナスに転じた前月の3.3%から下げ幅を広げ、下落率は金融危機発生直後の2009年1月以降で最大となった。

チャート:経済活動の再開で上振れが目立った費目、新車と中古車は鈍化も他は高止まり

cpi22dec_air1 (作成:My Big Apple NY)

CPIの13.7%を占める食品の前年同月比は、鳥インフルエンザによって急騰した卵の影響で上振れした肉類・魚・卵が(前月:6.7%→7.6%)以外で鈍化した。シリアル・パン類(前月:16.4%→16.1%)や食費(前月:12.0%→11.8%)だけでなく、外食も(前月:8.5%→8.3%)も前月を下回った。ただし外食は、1981年4月以来の高い伸びを記録した22年10月(8.6%)に近い伸びを保った。

チャート:食費の費目全て、前年比で鈍化が優勢に

cpi22dec_food (作成:My Big Apple NY)