真本音度合いを高めるためには

では、どのようにすれば真本音の度合いを高めることができるのでしょうか。それは、真本音の願いの1つを言語化し、それを常に意識することです。

最初に言語化するものとして有効なのは「人生理念」です。

人生理念とは、調子がよい時も悪い時でも、仕事においてもプライベートにおいても、どんな状況においても、「自分の望む生き方・在り方」です。

言い換えれば、人生を通しての「願い」とも言えます。

言語化をすることで、人は意識を向けることができます。意識を向けることで、人は意識をしながら行動をすることができます。

この真本音のキーワードは、人生においてずっと続く「テーマ」「課題」です。それに真摯に向かうことが、その人の内発的エネルギーをわき起こします。そこに「モチベーションアップ」は必要ありません。

「テーマ」に向かい、決めたことを1つずつ着実に実行するのみです。本人は至って淡々ですが、しかし周りから見れば「躍動してるなぁ」と感じられることでしょう。

人生の願いに包まれている人は、「一つひとつの物事に意志を込める」ことの喜びを体験として理解しています。当然それが仕事にも現れます。

しかも、自分自身の人生の願いと、その会社の理念・ミッション・目的(パーパス)などのつながりを感じれば感じるほど、「この仕事に打ち込むこと=人生の願いに向かうこと」となり、仕事において「本来の自分」を出し切る方向に向かえるでしょう。

<著者プロフィール>

黒澤伶
株式会社ITSUDATSU
代表取締役

早稲田大学人間科学部卒。デル株式会社(現:デル・テクノロジーズ株式会社)、株式会社ビズリーチ(現:ビジョナル株式会社)、コーチングファーム取締役を経て、株式会社ITSUDATSUを創業。「ITSUDATSU(非直線的な現象)を再現性の高い世の中にする」という大義の下、要人材を起点とした独自の組織活性方法で累計300以上のプロジェクトを推進。現在、複数社の取締役CHRO(非常勤)を歴任。