「宣戦布告なき戦争」登場

「ゼロデイ」「エクスプロイト」「セキュリティホール」。

一体、何のことなのか。

昨年初め、米ニューヨーク・タイムズの記者が書いたサイバー戦についての本を手にした筆者は、頭が疑問符で一杯になった。

それでも何とか読み進んでいくと、サイバー兵器の開発では世界で最先端・最強のはずの米国の技術が米国が敵視する複数の国に模倣され、今度は米国が攻撃対象になっているという恐ろしい事実がわかってきた。

ニコール・パーロース記者によるノンフィクションは2022年8月、邦訳版が『サイバー戦争終末のシナリオ(上)(下)』(江口泰子訳、早川書房)として出版された。

ちなみに「セキュリティホール」とはコンピューターシステムに生じた保安上の弱点や欠陥、脆弱性を指す。「ゼロデイ」とは未発見の脆弱性で、「エクスプロイト」とは脆弱性を攻撃するコードやプログラムを指す。ソフトウェアやコンピューター会社が脆弱性を修正するパッチを出すまでの間、エクスプロイトをサイバー兵器として使えば、コンピューターに不正侵入することも可能になる。

偶然にも国家間のサイバー戦争の本をめくっていた筆者は、英国の主要放送局チャンネル4がドラマ「Undeclared War(宣戦布告なき戦争)」がまさにこのテーマを扱っていると知り、飛びついた。

全6話構成で、チャンネル4の無料オンデンマンド・サービス「All 4」(原則、英国のみの視聴)で現在も配信中だ。

The Undeclared War Official Trailerより