Q. ぼくらの世代はどうすればいいんでしょうか?
よい子のみなさんにできることは、結婚して子どもをつくることぐらいでしょう。でも政府にできることはいろいろあります。
その一つは、結婚しなくても子どもをつくれるようにすることです。婚姻件数が減っても、事実婚やシングルマザーで子どもを育てる婚外子が増えればいいのです。図5のように、フランスでは出生数の56.7%が婚外子ですが、日本はたった2.3%です。
図5(舞田敏彦氏)
昔は婚外子は財産を相続できないなど差別があったのですが、2013年の最高裁判決と民法改正で婚外子の差別はなくなり、法的な権利は嫡出子(法的な夫婦の子)と同じになりました。
でもこの判決に対して、自民党の高市早苗政調会長(当時)は「ものすごく悔しい」とコメントし、夫婦別姓にも反対して「日本の伝統を守る」と主張しています。こういう「家」制度を守ろうとする自民党の古い支持層が婚外子の差別を生み、少子化の原因になっているのです。
Q. 「異次元の少子化対策」って何ですか?今のところ、出てきたのは子育て給付金ぐらいですが、これは異次元とはいえませんね。東京都は来年度から、子どもひとり毎月5000円の給付金を出しますが、毎年6万円のお金がもらえるから子どもをつくろう」と思う親がいるでしょうか。
Q. ではどうすればいいんでしょうか?図1をみてもわかるように、合計特殊出生率は不況だった2005年に最低を記録しましたが、2006年から景気が上向くと回復しました。つまり子どもの将来の生活不安があると、出生率は減ってしまうのです。
だから大事なのは給付金をばらまくことではなく、図3のように現役世代がお年寄りの生活を支える負担を軽くし、子どもの将来に希望をもたせることでしょう。そのためには、子育て給付金のために社会保険料を値上げするなんてとんでもないことです。