ペンス副大統領にチャンス到来?
中間選挙の敗因が人工妊娠中絶のせいだとするトランプ氏の発言は宗教右派から反発を浴びている。そして、トランプ氏が人工妊娠中絶に例外規定を設けるべきだという主張を続ける限り、宗教右派はより厳格に人工妊娠中絶の禁止を主張するトランプ氏以外の候補に鞍替えする可能性がある。
その候補のうちの一人がペンス元副大統領である。ペンス氏は敬虔なキリスト教徒で、人工妊娠中絶がいかなる場合も認められないという立場を取っている。人工妊娠中絶の権利を認めるローvウェイド判決が撤回された際、トランプ氏が政治的反発を恐れて曖昧な態度を取る一方で、ペンス氏は即座に支持を表明しており、全米で人工妊娠中絶が違法化されるように取り組むことを示唆した。
ペンス副大統領が大統領選に出馬をするとなれば、人工妊娠中絶についての立場での違いでトランプ氏との差別化を図るであろう。トランプ氏の人工妊娠中絶へのスタンスは全米規模で見れば多数意見ではあるが、共和党の中ではペンス氏の厳格なスタンスの方が支持を集めるはずだ。
トランプ氏は予備選で勝つために、これまでのように政治的主張を変えて、ペンス氏寄りの立場を取るかもしれないが、それが彼の真意ではないことは明らかであり、今のままでは共和党の大票田である宗教右派はペンス氏に取り込まれてしまうだろう。
元民主党員であるトランプ氏の経歴は、再選に向けて意外な障壁となるかもしれない。