なにかと外出することの多い年末年始。久しぶりに知人に会う、という方もいると思いますが、ちょっと待って。その格好で本当に大丈夫ですか?日頃忙しくて、最近服買ってないなぁ……という方は、特に注意が必要かもしれません。
「いやいや、別にすごくおしゃれに見せたいわけじゃない……けど、ズレた格好はしたくない」そんな方に向けて、コーディネートにおいてこれは絶対に外せない!という3つの「感」を、元アパレル店長が教えます。
おしゃれが好きな人であれば、誰もが意識している「感」とは、「素材(季節)感」「清潔感」「サイズ感」の3つ。
「人は見た目が9割」とも言われますから、服装含めたトータルの印象はとても大切です。仕事はもちろん、プライベートでも最低限これを押さえておけば、少なくともおかしな格好にならない……というポイントを絞って、解説していきます。
■ ポイントその1「素材(季節)感」
まずはアイテムの「素材感」。オールシーズン着用可能なものも当然多いのですが、中には使われている素材(生地)によって、着る季節が絞られているものもあります。
例えば、冬を代表する「メリノ」「ラム」「カシミヤ」といったウール素材や、フリース素材などは分かりやすいですが、シャツの生地として一般的な「ネル」素材や、ボトムスに使われることの多い「コーデュロイ(コール天)」といった素材も、実は冬用の素材。厚手のダウンやコートも含め、こうしたアイテムを春先まで粘って着ていると、ちょっと浮いた格好になってしまいがち。
ですので、今の季節であれば「リネン(麻)」や「シアサッカー」「カノコ」といった素材、織り方の夏アイテムをずっと着用するのは避けた方が良いと言えます。そもそも通気性が良かったり、さらさらとした着心地だったりで「単純に寒い」という理由もありますが、一発で「服装に興味がない人」とバレてしまいます……。
・色のトーンにも気を付けるとなお良し
こうしたポイントに加え、色のトーンにも気を付けるとなお良しです。冬場は暗めのトーンのほうがシーンに映えます。例えば、レッド→ワイン、イエロー→マスタード、ブルー→ネイビー、ベージュ→ブラウンという風に、ダークトーンを中心に選ぶと、それだけで季節感がグッと高まりますよ。
■ ポイントその2「清潔感」
続くポイントその2は「清潔感」。首元のヨレや変色などに気を付けるのは当たり前ですが、冬に注意したい清潔感と言えば、やはり衣服の「毛玉」です。
数年前に買ったニットやコート。物を大事にするのはもちろん良いことですが、毛玉が大量に発生しているものをそのまま着ていたりしていませんか?いくら洗濯をしていても、これではちょっと格好悪いですよね。
毛玉は着用の繰り返しの摩擦や、洗濯時の摩擦によって生じる現象です。毛玉取りブラシや毛玉取り器で対応することも可能ですが、何度も繰り返しているうちに生地が傷んでしまうことも。こうなった場合はもう買い替えたほうが良いと言えるでしょう。
また、これはオールシーズン言える事ですが、清潔感とは服装のみならず、髪型や眉毛、ヒゲ、靴などトータルを指します。いくら服装がばっちりでも、靴がボロボロ、髪がボサボサ……では意味がありませんので、あわせて意識しましょう。
■ ポイントその3「サイズ感」
3つ目のポイントは「サイズ感」。どれだけモノが良くても、体の大きさに合っていなければ、それだけで残念に見られてしまうものです。
ここ数年のトレンドを見ると、「ジャストサイズ~ややゆったりめ」くらいがオススメ。トップスであれば肩が引っ張られない、または落ちすぎないサイズ。ボトムスであれば、ベルトをしない状態でお腹まわりに手が入るサイズです。裾はかかと2~3cm上の辺りに来るようにお直ししましょう。
小さすぎてピチピチ、大きすぎてダボダボ……な着こなしは、おしゃれ上級者以外には基本的にNGです。洋服を買う時は必ず試着をして、フィット感を見るようにしましょう。
■ ポイントを押さえつつ、あなたなりのおしゃれを楽しんで
以上、3つのポイントを解説しましたが、何よりも大切なのは「自分が着たいと思った服を着る」ことです。
情報番組等で、私服がイマイチとされる方に対して、洋服のプロがコーディネートを行うコーナーをたまに見かけますが、「それ本当に似合ってる?」と思うことがしばしば。これってたぶん、「着せられてる感」が強いと、本人も分かってるからだと思うんですよね。
「この服がいい!」と思って着るだけでも、不思議と似合って見えるもの。まずは自分なりのおしゃれを楽しみつつ、その上で、今回紹介した3つのポイントを押さえられているか?をチェックしてみてください。
(山口弘剛)
提供元・おたくま経済新聞
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