待望の青物ヒット
だが待てども待てども近くで沸くことはない。ここで丸山さんが「ウキがない!」。見ると少し沖を流れていたウキが見当たらない。リールからは勢いよくイトが出されている。
すぐにドラグを締め、大きくアワせるとグングンと何度もたたかれた。そして縦横無尽に走り回るこのファイト……、間違いなく青物だ。しかもそこそこのサイズ。だが……さっき替えた仕掛けはアオリイカ仕様。ハリスは2号なのだ。
「やばいなぁ」と言いながら慎重にファイトする丸山さんだが、数秒後にサオ先が跳ね返ってしまった。回収するとアオリイカ用の掛けバリが完全に伸ばされていた……。

今回のミスはアオリイカをターゲットにしており、ハリスを細くしたことが原因だが、青物の気配があるのならハリスは太いままにしておくべきだったのだろう。アジの泳ぎが悪くなるのを考慮しても、ハリスは最低でも4号はほしいところだった。
うなだれながらハリスを6号に交換する丸山さん。だが、ここから再び沈黙の時間が続く。
素敵なゲストが登場
一方ヘダイの方は相変わらず絶好調に釣れてくる。だがアジが交じらない。後で分かったことだが、別のイカダではぼちぼちアジが釣れておりこの日、養殖イケス周りに回遊はなかったようだ。結果的に事前にアジを購入しておいて良かった~ということになった。
再びトラウトロッドに持ち替えた丸山さん、時々泳がせのサオを気にしながら打ち返し続けると、ヘダイとは違う鋭いアタリが出た。

ギュンギュンスピード感あふれる引きを見せたのは、なんとシマアジだ。やや小ぶりだが、うれしい1匹には違いない。こんなゲストが交じるのも五目の魅力の1つといえるだろう。
また今回はさしエサがオキアミのみだったのだが、ムシエサや生きエビなどがあれば、また違った魚種を見ることができたかもしれない。
ラスト1時間でドラマが
そして時刻は午後3時。いよいよ終了が迫ってきた。ここで泳がせの方もウキは諦め、再び胴つき1本バリに戻す。残り少ないアジを取り出し、鼻掛けにして投入。五目のタックルは片付け、残り時間は泳がせ釣りで一発逆転のドラマにかけてみる。
そして30分が経過。3本投入していた泳がせの真ん中のサオに異変。アジが暴れて穂先が震えたかと思うと、ジワジワと引き込み始めた。

丸山さんは、ヒット後のオマツリを防ぐため残り2本を回収し、アタリの出たサオを持って構える。そして大きく引き込まれたところで、大きくアワセを入れるとシーバスロッドが大きく曲がった。スピードはないが、トルクのある引きで力強く締め込む。大本命のヒラメか……。
タモを持って構えるこちらが緊張してしまうが、丸山さんはいたって冷静。かなりの重量感のようだ。これがヒラメなら、間違いなく座布団サイズだろう。