想像に反してアタリなし

だが、すぐに釣れると思っていたアジの反応がない。何度打ち返しても同じ。ここで丸山さんは次に作戦へ。ダンゴを投入することにした。ダンゴの煙幕で、とにかく魚を寄せようというわけだ。

冬のイカダ五目釣りでシマアジにヘダイ連発【三重】 ラストは大型ハモが登場ダンゴを作る(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

握りこぶし大のダンゴを5個ほど投げ入れ、続けてアミエビを入れたサビキを投入。だが、これにもアタリがない。サビキのハリにオキアミを刺しても、コツリともしないのだ。「本当に魚がいるのか……」と不安になる展開だ。

冬のイカダ五目釣りでシマアジにヘダイ連発【三重】 ラストは大型ハモが登場さしエサのオキアミ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

奥の手の吹き流し

「魚が寄っていないわけではない。何らかの原因でエサを見切っているだけ」。そう判断した丸山さんが次に取り出したのは、テンビンとハリとハリスだ。

ごそごそ何かを作って完成したのは、全長1ヒロほどの吹き流し仕掛けだ。ハリスは2号、ハリはチヌバリ3号。イカダの上でも即席で作れるシンプルな仕掛けだ。船でアジやイサキを狙うときに使う仕掛けと同じで、違うのはテンビンの大きさと使うサオだけだ。

冬のイカダ五目釣りでシマアジにヘダイ連発【三重】 ラストは大型ハモが登場サオは複数本出す(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

この仕掛けのメリットは、さしエサをまきエサと同調させて自然に漂わせることができること。サビキや胴つきで食わない場合、絶大な威力を発揮する。

丸山さんによれば、渋いときほど長いハリスが効果を発揮するらしい。吹き流しではなく、どうしても胴つきで釣りたいのであれば、ハリスを30cmぐらいまで長くすると食いがガラッと変わるそうだ。

怒涛のヘダイヒット

早速投入すると、その効果はてきめん。使っていたグラスソリッドのトラウトロッドが一気に絞り込まれた。サオが軟らかいので、見ている方は何が掛かったのかと思うほど。上がってきたのは本命の1つ、ヘダイだ。水深があるからなのか季節が進んだからなのか、秋に見たサイズよりも大きく、20cmはありそうだ。

冬のイカダ五目釣りでシマアジにヘダイ連発【三重】 ラストは大型ハモが登場フルソリッドのトラウトロッド(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ここから怒涛の入れ食い。仕掛けを替えるだけでこんなに違う?と思うほどアタリが続き、次々ヘダイが上がってくる。

2本バリなのでダブルもあり、バケツにはヘダイがたまっていく。たまに交じる小型はリリースし、ある程度たまったら絞めてクーラーへどんどん入れていく。

ナブラが発生

さてここでいったん昼休憩。コンロでお湯を沸かし、カップ麺をすする。普段は普通に食べるカップ麺も、イカダの上で食べると何倍もおいしく感じてしまう。

ここで泳がせ釣りの仕掛けを上げてみると、エサのアジはいたって元気。少しずつ投点を変えながら探っていくが、フィッシュイーターからの反応はない。

冬のイカダ五目釣りでシマアジにヘダイ連発【三重】 ラストは大型ハモが登場サオはキーパーに掛けておく(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ここで丸山さんは、泳がせの仕掛けも変更。実は事前に澤村渡船の澤村雪美さんから、最近泳がせの人がよくアオリイカを釣ってくると聞いていた。そこでハリスを細くし、アオリイカの掛けバリを装着してウキ仕掛けにチェンジ。これを軽く潮上にキャストし、ゆっくりと流していく。

ここで礫浦方面の海上に異変が起きた。無数の鳥が飛び交い、海面へ急降下。それに呼応するかのように、派手な水しぶきが上がる。ナブラだ。

沈んだかと思えば、少し離れた場所で派手に発生。神出鬼没ながら、あちこちで沸き起こる。すかさずジグをセットしたシーバスロッドを持ち、構える丸山さん。射程距離内で沸けばジグで直撃するつもりだ。