黒坂岳央です。
代わり映えしない生活を送っていると、ついつい忘れてしまいがちなのが「若さと仕事は永遠に続く」という錯覚である。否、みんな頭の中では論理的には理解している。だが、現実的な実感としてまったく伴わないために未来は現状の延長線上にあると誤解してしまいがちだ。
若さは現在進行系で失われていき、今の仕事がいつまでもあるわけではない。この認識をしておくことで行動や習慣に大きな影響を与え、変化への対応力と生存確率を高めてくれると信じている。

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誤解のないようにいっておくと、筆者はひたすらに危機を煽る悲観論者ではない。もとい、勉強や技術は何歳からでもできると信じているし、自分自身若い頃より圧倒的に日々勉強を続け、技術を磨いているという自負がある。その一方で、若くないことでできなくなることも現実問題としてありえる。
その最たるものは「若い行動」である。たとえば友人とバカな話で盛り上がったり、損得を考えず無鉄砲に面白そうなものに挑戦するといったことである。こうした行動は若い人は得意だが、歳を重ねると難しくなる。深く考えずに思いつきで旅行へ出かけるのは楽しそうなイメージがあっても、年をとるとあらゆる想定リスクを脳内でシミュレーションしてしまうために、実際に行動することを難しくしてしまうのだ。
年齢を重ねると交友関係が狭まり、結果的に人生観も限定的になりがちだ。若い時は同年代、年下、年上と誰と話しても経験が浅いが故に話をしていて楽しいと感じる。だが、年をとるとそうはいかなくなる。経験を重ねると表面的な浅い会話を楽しめなくなり、深い共感性を求める様になる。類は友を呼ぶという言葉通り人間はどうしても同じ属性、理解共通性の高い話題を楽しいと感じる性質があるためだ。その結果、人間関係が狭まってしまう。