環境省と一般社団法人全国ペットフード・用品卸商協会および一般社団法人ペットフード協会が協力して、ペットフードの「フードロス」削減と動物保護施設等へのサポートを両立させる試み「PET LIFE SUPPORT プロジェクト」をスタートしました。
将来的にこの試みを全国展開することを目指し、2022年 12 月 20 日(火)より神奈川県内の5つの自治体を対象に試験的な運用が開始されます。
目次
PET LIFE SUPPORT プロジェクトとは
・趣旨
・プロジェクトの概要
・神奈川県の5自治体で試験運用
ペットフードロスとは
PET LIFE SUPPORT プロジェクトとは
![環境省・ペットフード協会等が始めたペットフードの「フードロス」削減と動物保護施設等へのサポートを両立させる取り組みについて](https://cdn.moneytimes.jp/600/389/izOiEFByVNuNgigvdvUrKmSqMTwNUvzm/c6273f5c-447b-40ef-bfde-a2008fc7b035.jpg)
趣旨
ペットフードの関係業界では品質保持等のために、従来からペットフードの供給状況を管理しており、賞味期限が近付いた商品を店頭から回収等し、これを廃棄することで、一定量の「フードロス」が生じていました。
今回、一般社団法人ペットフード・用品卸商協会と一般社団法人ペットフード協会が立ち上げた「PET LIFE SUPPORT プロジェクト」では、このフードロスを極力削減し、廃棄せず有効に利用するために、賞味期限が近くなったペットフードについて、必要に応じて、自治体等が運営する動物保護施設等に無償で提供します。
SDGs で大きなテーマとして掲げられている「フードロス」の削減と保護動物 の「命」をつなぐ活動をサポートすることで、動物愛護管理にも貢献することを目的としています。
プロジェクトの概要
参加するペットフードやペット用品のメーカー各社より、賞味期限が近くなったペットフードやペット 用品などの商品情報を集積・管理し、その情報を登録された動物保護団体等へ提供します。
動物保護団体から注文があれば、その商品がメーカーから発送され、無償で提供される仕組みとなっています。
これにより、メーカー側はフードロスの発生を削減でき、その廃棄にかかっていたコストを抑えることが出来る一方、 動物飼養施設は必要な物品の無償提供が受けられるため、提供側と受け手側のニ ーズのミスマッチが起こりにくくなります。
商品の配送は、ヤマト運輸が各メー カーの拠点から動物保護施設に直送します。 さらに、クレディセゾンの協力により、クレディセゾンの会員がポイントやカードにより子猫用ミルク等を購入し動物飼養施設へ寄附することも可能としており、ペットフード以外の動物飼養施設でのニーズも踏まえた内容としています。
神奈川県の5自治体で試験運用
神奈川県の5自治体(神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市、横 須賀市)の動物飼養施設を対象に、神奈川県の横浜市・横浜市戸塚区・川崎市・ 相模原市・横須賀市の5拠点で試験運用を開始し、運用上の問題点の洗い出しなどを行いつつ、近い将来の全国規模での展開を目指しています。
ペットフードロスとは
![環境省・ペットフード協会等が始めたペットフードの「フードロス」削減と動物保護施設等へのサポートを両立させる取り組みについて](https://cdn.moneytimes.jp/800/514/SCMrCUDgMfVqkIqxyrsEXLjIKaHRvNFr/5427c180-aa9c-4008-9a92-2bd91696748a.jpg)
SDGsが2015年の国連サミットで採択され、様々な分野で環境保護に対する意識が高まってきました。SDGs17の目標のうち、注目されいる項目に「食品ロス(フードロス)」があげられます。
人が食べる食品の廃棄ももちろん大きな問題ですが、ペットが食べるペットフードも同様に「ペットフードロス」の問題が起こっています。
ペットフードの課題は、人が食べるフードと全く同じではありません。
そもそもペットフードの分類は食品ではなく、雑貨というカテゴリーに分類されています。
人が食べる食品のように統計データのような数値も見えず、課題や問題が見えにくい為、問題と認知するまで時間がかかってしまう性質があり、分類が「食品」ではなく「雑貨」ではあっても、原材料の多くは人間の食品と変わらないという矛盾も生じています。