幼児期から学童期の子どもの洋服選びって難しいですよね。子どもにも服装の好みが出てくるため、せっかく買ってあげたけど気に入ってもらえなかった……という経験のあるママパパも多いと思います。

そんな時は、あえてお子さん自身に買う段階から洋服選びをさせてみると良いかもしれません。「着る服を自分で決める」という行為には、子どもにとってさまざまなメリットがあるんですよ。

実はこうした「子ども自身に服を選ばせる」ことは「服育」と呼ばれ、近年大手アパレル企業でも店頭で子どものコーディネート体験会を実施するなど、その効果に注目が集まっています。

私自身も、アパレル企業に従事していた頃、スタッフ側で子どもの洋服選びをフォローしたことがありますが、最後は親も子どもも目をキラキラさせて帰っていったことをはっきりと覚えています。

■ 子どもに洋服選びをさせることで得られるメリット

子どもに洋服を選ばせることで得られる効果は大きく3つ。

まず、「自分で決める力」を育むことが出来ます。洋服屋にあるたくさんの洋服の中から、自分の意志で選ぶことは、大人でも少し考えこんでしまったり、悩んでしまったりすること。

多くの選択の中から多角的に考え、最終決定する、という機会は大人になるうえで否が応でもやってきますから、こうした力を洋服選びで培うことが出来ます。

次に、「自分で決めた」という納得感が得られ、自己を肯定することに繋がります。大人である我々も、洋服を購入した際に「自分に似合う服が買えた」「お気に入りの一枚になった」という経験をしたことがある方は多いはず。「自分で決定したこと」が成功体験になるのは、子どもにとってもうれしいものです。

また、お子さん自身が決めた洋服ですので、積極的に着用するようになり、親も毎日の洋服選びがスムーズになります。出掛ける前に「あれもイヤ、これもイヤ」と服装が決まらないことは子育てあるあるのひとつ。これが解消されるのも大きなメリットと言えるでしょう。

■ 子どもに洋服選びをさせる際の注意点

とはいえ、全てを子どもに任せっきりではいけません。小さいうちは洋服を選び慣れていない場合がほとんどですので、親がしっかりとサポートしてあげることが大事です。

いきなり子どもに選ばせるのではなく、まずは一緒に考えてあげましょう。明らかに目的とは外れたものを選ばないように、「お出掛けで着る長袖」「暖かそうな長ズボン」「通学(通園)時に上から羽織るもの」など条件を付けたり、難しい場合は親が何点かピックアップし、選択肢を絞ってあげたりしても良いでしょう。

あくまでも重要なのは、最終的な決定に子どもの意志を反映させる、ということです。たとえ2、3つほどの小さな選択肢でも、何かを自分で決めるということで行動力や判断力が身に付いていきます。

次に、子どもの選択を否定しないこと。どうしてそれを選んだのかを聞いてあげることが重要です。「色が変」「柄がおかしい」「似合わない」とネガティブな発言をしてしまうと、子どもは自信を失ってしまいます。

例え親の好みと合わなくても、大事なのは子どもの意見を尊重すること。目的のものと大きく条件が外れていない限りは、子どもの選んだものを購入してあげると良いでしょう。その判断が「自分で決める力」を伸ばすきっかけになります。寛容な心で、子どもの選択を受け入れてあげましょう。

そして最後に、選べたことをしっかり褒めてあげること。親に認められる、ということは子どもにとってこの上なく喜ばしいことです。「かっこいい(かわいい)ね!」「大事に着ようね!」と声掛けをすることで、より洋服選びに興味を持って取り組んでくれることでしょう。

親にとっても、子どもの興味傾向をより深く知ることが出来るきっかけになるはず。「こんな色が好きだったのか」「こんな服が着たかったのか」と、意外な発見があるかもしれませんよ。ぜひ親子で洋服選びを楽しんでみてください。

【山口弘剛:筆者プロフィール】
鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育て中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動中。

提供元・おたくま経済新聞

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