ボルダリング上達に筋トレは必要不可欠?
難易度を上げるにつれてどうしてもクリアできないルートも出てきます。その際に感じることが多いのが様々な部位の筋力不足です。
練習しているのに登れないルートが現れたら、筋トレをトレーニングに加えるのも手です。
レベルによる筋トレの必要性の違い
闇雲に筋トレをすれば良いというものではありません。初心者の場合、ボルダリングを楽しむだけでも自然と筋肉が身に付いていきます。しかし中級者レベルになると身体が刺激に慣れてしまい、ジムへ通うだけでは筋肉がつかなくなります。
レベルアップを目指すにはトレーニングを見直し、必要な筋トレを取り入れることが大切です。
マシンやダンベルは必要?
スポーツジムにあるマシンやダンベルを使うトレーニング方法はターゲットとなる筋肉を集中的に鍛えることが可能です。
しかし、ボルダリングはただ筋肉をつければ上手になるスポーツではありません。自分の体重を支えながら行うスポーツのため、マシンやダンベルでのトレーニングより、自重を使ったトレーニング方法が実践的です。
ボルダリング上達に向けた部位別トレーニング
ボルダリング上達を目指すには、トレーニングを行う際も注意が必要です。なぜなら、ただ闇雲にジムで筋トレをすれば良いものではないからです。
ボルダリング上達に向けてどこの部位を鍛えるべきか、有効な筋トレの方法はどんなものか、それぞれの部位別に確認していきましょう。
広背筋
広背筋は上半身の中でトップレベルの大きさを誇る筋肉です。上手に使うことで指先や腕の負担を減らし、より楽に登ることが可能となります。
背中を使う分筋力が上がって自分の身体を上に引き上げる動きも取りやすくなり、ホールドからホールドへの移動もしやすくなります。
広背筋のトレーニング方法【懸垂】
懸垂は、広背筋はもちろん、前腕から肩まで上半身を幅広く使って体を引き上げるトレーニングです。身体を上へ引きつける力を強化してくれます。
ボルダリングと同様の体勢で身体を支持しながら引き上げるので、より実践に近いトレーニングといえます。鉄棒や懸垂器具だけでなくジムにあるフィンガーボードなどでも行えるため、クライマーには実施しやすいトレーニングです。
懸垂のやり方
肩幅、もしくはやや広い位置でバーを握ります。フィンガーボードを使う場合も同様の位置でボードを掴みましょう。軽く身体を持ち上げて背筋を伸ばしたら、肩甲骨を寄せるイメージで顎がバーもしくはボードと同じ位置に来るまで身体を持ち上げます。トップまで来たら1秒キープし、ゆっくり肘が伸び切らない位置まで身体を下ろします。
この一連の動きを10回繰り返します。身体を下ろす際に速く下ろしてしまうとケガの要因となりますので、下ろす時はゆっくり行うよう注意しましょう。
懸垂の注意点
スピードをつけてしまうと反動で動けてしまい、ターゲットとなる筋肉を効率よく鍛えることができません。また、スピードをつけてしまうと思わぬケガの原因となります。
身体を下ろす際は特に注意して、ゆっくりと動作行いましょう。
腹斜筋
腹斜筋は、外腹斜筋と内腹斜筋の2つに分かれています。
この筋肉は身体をひねる動きをするのに必用な筋肉です。ひねる動作はボルダリングにおいて、より遠くのホールドに手を届かせるのに有効な動きとなります。
また、腹斜筋が鍛えられていると登っている最中に不安定な姿勢を保持する場合でも、ぐらぐらせずに安定させることが可能です。
腹斜筋のトレーニング方法【ツイストレッグレイズ】
ツイストレッグレイズは上半身を固定させ、脚を左右に動かすことでねじりの動作を行い、腹斜筋を鍛えるトレーニング方法です。ねじりの動きだけでなく、体幹を使って足を上げる動きもあり、強傾斜でのフットワークを養うことが出来ます。
ツイストレッグレイズのやり方
まず、床に仰向けの姿勢になります。そのまま両足を閉じ、腰から下までをまっすぐ上に上げましょう。両足を閉じたまま、右に移動させ、床すれすれまで下ろします。1秒その位置で姿勢をキープしたら、ゆっくり足をまっすぐ上に戻します。同様の動きで、今度は左に足を移動させます。
この一連の動きを10回繰り返します。
ツイストレッグレイズの注意点
ボルダリングでも姿勢を安定させられるよう、動作中は呼吸を一定に保ちぐらぐらしないように注意しましょう。
また、トレーニング中に呼吸を止めてしまうと血圧上昇のリスクも高まります。まずは呼吸を止めないことを意識して動作を行いましょう。
胸
大胸筋は上体の動きに大きく関与する体幹部の筋肉です。体幹部の筋肉が安定することにより、ボルダリングでは不安定な場所での姿勢の維持、さらにそこからの様々なムーブへと繋がります。
また、大胸筋は、前述した広背筋の拮抗筋(対となる筋肉)で、広背筋と同様にトレーニングすることによって、バランスの取れた身体となります。
大胸筋のトレーニング方法【腕立て伏せ】
腕立て伏せはボルダリングの筋トレとして非常に優秀なトレーニングでもあります。胸だけでなく、ボルダリングでも大切な上腕三頭筋、三角筋も鍛えることが可能だからです。
腕立て伏せのやり方
四つん這いの状態になり、手を肩幅より手のひら1枚分外側に置きます。この時、つま先以外を床から離し、頭の先からつま先まで一直線の姿勢をつくります。そこからゆっくり腕を曲げて身体を床に近づけましょう。その時お尻が上がらないように注意してください。顔が床に近づいたら、ゆっくり地面を押し上げて最初のの姿勢に戻ります。
この動きを20回繰り返します。
腕立て伏せの注意点
腕立て伏せはトレーニング中にまっすぐな姿勢をキープすることが重要です。数をこなすことより、まずはしっかり一直線の姿勢をキープすることを意識しましょう。
姿勢をキープするのが難しい人は、スタートポジションで膝をついて行いましょう。