タイの人たちは日本人の血液型占いと同じように、干支によって性格や運勢を占ったり、干支から連想される顔つきや体型を笑いのネタにすることで盛り上がったりします。
ここチェンマイを初めとする北タイには、「今年の干支寺」や「自分の生まれ年の干支寺」にお参りすれば運気が高まるという"十二支守護仏塔信仰"があり、占いのときとはまったく違う真剣な表情で干支寺参りをする姿が見られます。
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チェンマイから車で約1時間の「ネズミ寺」へ開運祈願
愛犬家なら行かずにはいられないワット・ゲーガーラーム
チェンマイから車で約1時間の「ネズミ寺」へ開運祈願
私が訪れた正月4日、今年の干支寺であるワット・シー・ジョムトーンは、遠くからやってきた白衣の巡礼やチェンマイ周辺からの参拝者であふれ返っていました。


人々は「ネズミの守護仏塔」前でひざまずき、前で重ねた両手に額をつけるようにして三拝します。
それからロウソク、線香、お花をバナナの葉で包んだ三点セットを手にして、お経を唱えながら仏塔の回りを時計回りに3回巡ります。


また、仏塔門脇には2匹の黄金色ネズミ像が合掌姿で立っており、人々はこのネズミの耳に口を寄せて、お祈りの言葉をささやきます。

この仏教風習は「プラタート・プラジャム・ピークゥート(生まれた年に属する仏塔)」というタイ語にもとづいています。
もともと、チェンマイを中心とするラーンナー(北タイ)地域における仏教信仰の一形態で、「人の運命は生まれた年の干支に支配されており、自分の属する干支守護仏塔に詣でると大いに運気高まる」と信じられているのです。
そして、タイ全土およびインド、ミャンマー、天上界を含む広大な宇宙空間に点在する12の干支仏塔のうち、このチェンマイ周辺に6つもの干支寺が集まっています。
ワット・シー・ジョムトーン
住所:Ban Luang, Chom Thong District, Chiang Mai 50160
愛犬家なら行かずにはいられないワット・ゲーガーラーム
チェンマイ市内に戻った翌日、今度はワロロット市場のピン川対岸にある「戌寺」を訪ねました。
「戌寺」は本来、天上界にあるとされています。でも、それでは誰も参拝することができません。そこで、このワット・ゲーガーラームが代替寺として選ばれたわけです。
境内にある白い瀟洒なチェディは、タイ人の間では「戌の守護仏塔」として知る人ぞ知る存在。



ワット・ゲーガーラーム
住所: Wat Ket, Mueang Chiang Mai District, Chiang Mai 50000