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首都から車でもアクセス可能!沈没の危機にある避暑地グラン・ラウ
悲しい歴史をもつチンパンジー、ポンソ
首都から車でもアクセス可能!沈没の危機にある避暑地グラン・ラウ
グラン・ラウは首都アビジャンから西へ130km、車で2時間半の距離に位置します。コートジボワールでも、日本で取得できる国際免許が有効であるため、筆者はレンタカーを借りて出発!車の運転が心配な場合は、公共交通機関のESPOIRバスでアクセスできるそう。アビジャンからグラン・ラウに向かって1時間ほど運転すると、ジャックビユと呼ばれるビーチがあり、大規模なホテル等はないものの、海を眺めながら昼食をとることが可能です。
コートジボワールで一般的な伝統料理は「プレ・ブレゼ」と呼ばれる炭火焼チキンや「ケジェヌ」と呼ばれる煮込み料理、少し脂っこい炊き込みご飯「チェップ」。
主食には、キャッサバを蒸して発酵させた「アチェケ」や、プランテンバナナを揚げた「アロコ」、ヤム芋やバナナをお餅のように搗いた「フトゥ」等を食します。コートジボワールでは、イボワールやボックといった現地で生産されている地ビールを楽しむことも可能です。筆者のおすすめの組み合わせは、プレ・ブレゼとアチェケの組み合わせをイボワールビールで乾杯!



さらに西へ車を走らせグラン・ラウまで25kmの位置に差し掛かると、アザグニー国立公園があります。この国立公園には様々な小動物や鳥、昆虫が生息するほか、運が良いと象やバッファロー、チンパンジーも間近に見れるとか。政府公認ガイドによる説明を受けながら散策や川下りができます。公園内には、フランスの援助でエコロッジの建設が進んでおり、公園内に宿泊できる日も近いそう。

グラン・ラウのビーチは漁村として機能している部分が多く、地平線を眺められるビーチを楽しみたい場合は小型ボートに乗り、マングローブのラグーンを進んで陸繋島(Lahou-Plage)へ。キャップ・ラウと呼ばれるレストランホテルで海を楽しむことができるほか、テントやBBQに必要な道具を貸し出して材料と一緒に運んでくれるサービスもあるため、半島のビーチでキャンプすることも可能です。
この陸繋島に古くからある漁村Lahou-Kpandaでは、ギニア湾特有の技術を使った漁が行われていますが、近年の海面上昇により年間2−3mの侵食が進み、沈没の危機にあります。一方で、ビーチからは、地元の漁師が手漕ぎボートで漁をしている姿が見える以外は、果てしなく続く地平線が見えるのみ。ここから見えるサンセットには心を洗われること間違いなし。


悲しい歴史をもつチンパンジー、ポンソ
グラン・ラウに来たらぜひ見つけて欲しいのが、イル・ド・チンパンジー(チンパンジー島)。岸から手漕ぎボートを使って2分で到着する小さな島に、チンパンジーのポンソが一匹ひっそりと生息しているのです。
飼育員のムッシュー・ジャルマン(M. Germain Djénémaya Koidja)が一日2回餌をやりに行くのに一緒についていき、ポンソを数メートルの距離で見ることができます。コートジボワールでは、北西部にあるタイ国立公園を除くと、チンパンジーの生息はとても限られています。
では、このチンパンジーはどこから来たのかと言うと、リベリアで肝炎ウイルス研究の実験に利用されたのち、1983年に自然に帰す目的で アザグニー国立公園付近に20頭の仲間とともに放たれました。しかし、数ヶ月もしないうちに密猟などで11頭が命を失ってしまいます。生き残った9頭は保護の目的で島に放たれ、やがて生き残りはポンソ一匹に。
数年前には、隣国リベリアからメスのチンパンジーがつがい候補として連れてこられたものの、ポンソの縄張り意識が強すぎたせいで、共生することはできませんでした。一匹オオカミとなってしまったチンパンジーですが、ジャルマンとは深い絆で結ばれているようで、二人で仲睦まじく遊ぶ様子が見られます。
