極寒の地に欠かせないレイヤリングの基本

1 体の表面の汗を吸い上げて発散させる
2 体の表面の熱を逃がさずに保つ
3 外の冷気を遮断する
4 雨や雪、風などの荒天から体を守る

この基本にしたがって、服を重ね着していくというわけ。

ポイントは、ひと言でいえば”外気を断熱した空気の層をつくること”。体の周りに空気の層を作って、自身の体の熱をいかに保ち、より温かくすることが大事なのです。

というわけで、まずは北海道幌加内町の朱鞠内湖に持っていた装備を上半身から紹介していきます。

超極寒の北海道ってどんな服装なら大丈夫? 最強の防寒コーデを伝授します【−30度で実践】
(画像=北海道で着た防寒着たち。中央上から時計回りに、アウターのジャケット、ネックウォーマー、薄手のグローブ、厚手のグローブ、靴下、メリノウールのインナー、フリース、ダウン、タイツ、シンサレートのパンツ、シェルパンツ。、『cazual』より引用)

上半身ベースレイヤー 肌をドライに保ち保温する

ベースレイヤーはいちばん肌に近い層で、いわゆるインナーですね。これは上記レイヤリングの基本の1と2に当てはまります。素早く汗を給水して拡散させて肌をドライにキープすること、そして保温性を確保することが目的。気温や湿度などの気象条件、運動量や発汗量を考慮してセレクトします。

活動しているときは汗をかいて暑いけれど、止まったり休憩したりすると、体温は下がります。そのときに、汗を吸水して発散させて肌をドライな状態にキープしておかないと、汗冷えしてしまって風邪の原因となることも。

雨や雪から身を守るためにアウターを重視で、ついベースをないがしろにしてしまいがちですが、実は、いちばん大事なウェアといっても過言ではありません!

上半身ベースレイヤーはアイスブレーカーのメリノウール

超極寒の北海道ってどんな服装なら大丈夫? 最強の防寒コーデを伝授します【−30度で実践】
(画像=『cazual』より引用)

ベースレイヤー選びでいちばん大事にしたのは素材です。いろいろな方に聞いた結果、僕は「メリノウール」をチョイス。U社の温かい機能性下着も検討したのですが、「体から出る水蒸気を熱エネルギーに変える」ということで活動中はいいけど動かないときはどうなの? と懸念があったのでやめました。

一方、「メリノウール」はその名のとおりウールなので天然素材。繊維自体に高い吸湿性を持っていて、汗をかく前の段階から体が発する水蒸気を吸収して発散してくれます。温度調節に優れていて、肌面の水分を吸収するときの吸着熱と体温が、メリノウールの繊維がつくり出す多くのエアポケットにため込まれて暖かさをキープしてくれます。

また、抗菌防臭効果が高く、洗濯しなくても数日ぶっとおしで着続けていても気にならないとか。

超極寒の北海道ってどんな服装なら大丈夫? 最強の防寒コーデを伝授します【−30度で実践】
(画像=『cazual』より引用)

そこで僕がゲットしたのは「ICEBREAKER」(アイスブレーカー)のメリノウール。国内外問わず、いろいろなアウトドアブランドからメリノウースのアイテムは出ているけど、ピンとくるデザインのものがなかなかありませんでした。

ロゴが妙に派手で大きかったり、ボーダーだったり、ピッチピチで体にフィットしすぎなものだったり。そうなるとふだんは着づらいと思ったので除外。

アイスブレーカーのものがいちばんシンプルで、ふだんの着こなしにも使えるかなと思いました。見た目はブラックのニットなので、一枚でサラッと着られて、ふだんもヘビロテしています。

最初は、ホントにあったかいの?と半信半疑な部分もありましたけど、着た瞬間、ふんわりと温かいんです。これには驚きました。