谷内六郎展と常設展
横須賀美術館には企画展として期間限定で開催されているスカジャン展以外に所蔵品展と谷内六郎館があります。
ところで、谷内六郎ってご存じですか? 私は失礼ながら存じ上げておりませんでしたが・・・

この絵の雰囲気、どこかで見たことありませんか?ピンときた方、いらっしゃると思いますよ(笑)おそらく50代以上の方は、あれ っと思ったでしょう。むかーし、テレビCMでやってました。「週刊新潮は、あした発売です」なんて聞いたことありませんでしたか?
はい、この谷内六郎画伯はその雑誌の表紙を描いていた画家さんなんです。
谷内六郎(1921-81)は家族と共にたびたび横須賀を訪れ、1975年には横須賀美術館がある観音崎公園にほど近い場所にアトリエを構えました。そうした縁で遺族から『週刊新潮』の表紙原画約1,300点をはじめとする膨大な数の作品や関連資料が横須賀美術館に寄贈されました。横須賀美術館では年4回開催するテーマ毎に約50点を展示しています。
ちなみに、1,300点の作品はほぼネタ被りがないそうです。驚きですね。

どこか懐かしい感じがしたのは私だけではないと思います。

こちらは所蔵品展を行っている展示室です。展示されている作品は地域にゆかりのある作家の作品も含めて、近代から現代の美術を展示しています。


写真を見てお分かりかと思いますが、建築に非常に凝っています。目の前が海で背後が丘陵という地形を生かした建物になっていて、建築学科の学生さんなんかもやってくるそうです。
横須賀美術館の周辺は自然や遺構が

横須賀美術館は観音崎公園の中にあります。公園内には浦賀水道を望む観音崎灯台やアウトドア施設などがあり、晴れた日には東京湾を挟んで房総半島も見える風光明媚なところです。
観音崎、浦賀水道というと海上交通の要所でもあります。そしてかつて、この地は明治維新の頃に開国を迫ってきた外国を夷狄 (いてき)と呼び、それらを防御するためにたくさんの砲台が建設されたところでした。
それらの遺構が美術館に隣接しているのです。




こちらは三軒家砲台跡です。横須賀市内にはあちこちに砲台跡がありますが比較的原型をとどめる形で残っています。砲台跡の円形の建築に弾薬倉庫などのレンガ積みの遺構を間近に見ることができます。
美術に触れた後は遺構の建築に触れることができるところです。