二者択一の回避

Denying the correlative

二者択一の質問に対し、選択肢とは異なる回答をして論点から逃げる

<説明>

「二者択一の回避」は、互いに背反する言説について二者択一を迫られたときに選択肢とは異なる言説を主張することで論点から逃げるものです。狡猾なマニピュレーターは、あたかも二者択一以外の選択があるかのように装って回答し、論点を無効化します。これは、二者択一の質問に対する【質問の言い換え】と捉えることもできます。

誤謬の形式

論者Aが論者Bに二者択一の質問QAをする。 論者Bが選択肢とは異なる言説を主張する。 論者Bにとって都合が悪い質問QAの存在が忘れられる

<例>

<例1>

A:私のケーキを食べちゃったのはあなたですか? B:私はケーキが嫌いです。

<例2>

未成年:煙草下さい。 コンビニ店員:あなたは20歳以上ですか? 未成年:残念ながら個人情報なので明かすことはできません。

肯定すれば目的を達成することができず、嘘をついて否定してもすぐにバレるような場合に人はしばしば選択肢にないことを回答します。ちなみに、次の<例3>は「二者択一の回避」ではありません。

<例3>

A:政権を支持しますか?不支持しますか? B:私はどちらともいえません。 C:私はわかりません。

この質問の回答は「支持する」「支持しない」に加えて「どちらともいえない」「わからない」という回答も存在するので、二者択一を回答者に求めることはできません。