サラリーマンの社外人脈の9割はムダ
それからこれは批判を受けてしまいそうな発言だが、あえてハッキリいうとサラリーマンにとっての社外の人脈の9割はムダで終わると思っている。留意点としてはムダである人脈は「あくまで9割」であって、中にはムダにはならないものがあることはわかっている。だが、意識の高いビジネス書で言われている、「中年期のサラリーマンは社内ではなく、社外で人脈を持ちなさい」みたいな提案は本質的にズレていると感じるのだ。その理由を取り上げたい。
まず、サラリーマンが持てる社外での人脈は、相手がサラリーマンであることが多くなるはずだ。理由は、同じレイヤーでないと話は通じないし、利害関係もズレてしまうためだ。
部長と平社員がお互いに価値を感じる人脈になり得ないことは誰でも想像がつく。そして役員や本部長クラスでなければ、決裁権がないので「仕事に困ったからあの人にお願いしよう」みたいに人事で融通してもらうことや、「今月売上が厳しいのでキャンペーンを受けてもらおう」といったオファーは通ることがない。
結局、異業種のノウハウや経験談のナレッジシェアリング程度にとどまることが予想されるが、そうした情報は今やYouTubeでもSNSでも整理され、分かりやすい情報がオンデマンドで提供されている。そのため、時間や労力を割いて会って話を聞く価値はほぼないと言わざるをえないだろう。
かといってサラリーマンと経営者やフリーランスは明らかにレイヤーが違うので、上記で述べた通り接点がない。あるとすれば、売上に困った経営者やフリーランスがサラリーマンの勤務先に営業をかけたいケースくらいだろうが、それもサラリーマン側に決裁権がなければ望むべくもない。やはり有効な人脈にはなり得ない。