予定しなければ実行されない

ではどうすればテレビよりも資格試験への優先順位をあげて勉強に取り組めるようになるのだろうか。

先程登場したティム・フェリスの言葉を借りればそれは『カレンダーに前もって予定すること(PUT IT IN THE CALENDER)』となる。

ティムは2020年に配信したYouTube動画で「どうすればティムのようにたくさんの仕事をこなしながら創作活動や自分自身をふりかえる内省の時間まで、バランスよくこなせるようになるか」という趣旨の質問に対し『バランスは見つからない。なぜなら自らスケジュールしなければならないからだ』と語った。

ティムは仕事を効率的にこなすために1週間のうち月曜日の予定をブロック=あらかじめ確保して動画を録画する・電話で従業員と通話する・事務作業をまとめてこなす時間にあてているという。またブログを書く日は午前中あるいは昼食前にあらかじめ執筆する時間を予定・確保する。

創作活動についてはアメリカ・オースティンの自宅にいる時1週間に1回程度、90分の絵画レッスンを予定する。メールをはじめ、自分の気をそらすものが目に入る前の、朝一番の時間帯に予定するのだそうだ。

内省の時間についても少なくとも4半期に一度、1〜2週間は電波が届かないような自然の多い場所にこもる時間をあらかじめカレンダーに予定する。移動や宿泊等に伴う費用は全て前もって支払っておく。キャンセルすると費用が発生するようにしておくことで、人間の損したくない性質を利用するのだという。

ティムは『カレンダーに予定しなければ実行されない。物事もうまく進まなくなるし重要なことに手をつけられなくなる。そして僕はそのツケを払わされることになる』と語り、カレンダーに予定すること(PUT IT IN THE CALENDER)が、バランスよくやりたいことを行うための(自身にとっての)『唯一の手段』とまで語った。

やりたいことを実行に移したいなら、いつ・どれくらいの時間をかけてそれを行うのか。カレンダーに具体的に予定することだ。

グレノンが子供達が起きてくる前に執筆したり、ティムが絵画レッスンを朝一番の時間帯に予定したように。最も先送り・先延ばししたくない行動は朝一の時間帯に予定しよう。

朝一の時間帯・予定は1日の中で最も先送り・先延ばしがされにくい。集中力が最も発揮される時間帯であり、他人から連絡が入ることで中断されることも少ないからだ。

やりたいことはカレンダーに予定する。シンプルすぎるかもしれないが、それが最も効果的な解決策なのだ。

滝川徹 時短コンサルタント 1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みが全国で表彰される。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その体験を出版した『気持ちが楽になる働き方 33歳大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。』(金風舎)はAmazon1位2部門を獲得。2018年に順天堂大学で講演を行うなど、現在は講演やセミナー活動を中心に個人事業主としても活動している。

編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2022年12月11日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。