先程のFacebookのアンケートの話には続きがある。エリザベスは友人でもありニューヨークタイムズのベストセラー作家であるグレノン・ドイルが最初の本を書きはじめた時のエピソードを続けて語った。
グレノンは当時三人の子の母で自分が本を書くためにはテレビをやめなければいけないことを自覚していた。しかしそう簡単にはやめられなかったという。なぜなら当時彼女にとって1日の終わりにテレビを見ることが何よりの楽しみだったからだ。
しかしある時から彼女はテレビを見るのをやめて子供達が寝る時間に一緒に寝るようにした。その分早起きし、子供達が起きる1時間半前の時間を執筆にあてた。そうして彼女は作家としての道を歩みはじめたのだという。
エリザベスはこの話の最後に『そうやって自分の時間の使い方にシビアに冷静に、そして正直になった人達がいる。今日はぜひみんなにこのことを伝えたかったの』と語った。
忙しくてできない=そこまで重要じゃない世界的に有名なライフコーチで知られるマリー・フォーレオは著書『あなたの才能を引き出すレッスン「何事もなんとかなる!」マインドで夢を叶える(KADOKAWA 2020)』で『時間の言い訳を撲滅する鍵は、「与えられた24時間を使ってやっていることはすべて選択されたものだ」という事実を認めることです』と語っている。
仕事に行く。洗濯をする。子供を風呂に入れる。税金を払う。メールに返事をする。生きていくのに必要不可欠と思えるこうした行動でさえ、マリーの表現を借りれば『頭に銃を突きつけられて』行っているわけではない。あくまで自分にとって重要なことだから我々は自らの意思でそれらを選択して行動しているにすぎない。
このことについて「世界で最も影響力のあるデザイナーの一人」とも言われるデビー・ミルマンも『忙しいとは選択である』とアメリカのベストセラー作家ティム・フェリスとのインタビューで語りその理由を次のように説明した。
私達は常に自分達がやりたいことをやっている。以上よ!「忙しすぎてできない」と言う時は、要は「そこまで重要じゃない」ってこと。自分にとってもっと重要だと感じることにただ時間を使いたいって意味にすぎないのよ
デビーもまた、やりたいことができないのは時間がないことが問題ではなく、時間の使い方=選択の問題だと言いたかったのだ。時間がないことを理由に何かをやらない時、人は自分にとってもっと重要だと感じることに時間を費やすことを選択しているにすぎない。
たとえば資格試験の勉強をするつもりだったのに好きなテレビ番組をつい見てしまう場合。それは本心では勉強するより、テレビを見てリラックスするほうが自分の中の優先順位が高いということなのだ。