センターバック(CB)

長く守備の要として君臨した吉田麻也(シャルケ)だが、次回のW杯時には38歳となる。今後の代表活動について明言してはいないが、序列が落ちることは十分に考えられるだろう。また、同じく今カタール大会で安定感を見せた谷口彰悟(川崎フロンターレ)も、次は35歳でW杯を迎えることから最有力とはいいがたい。

だが、CBについては、今大会でも活躍した板倉滉(ボルシアMG)に加え、サイドバックとしてもプレー可能な冨安健洋(アーセナル)や伊藤洋輝(シュツットガルト)など、今後も能力の上積みを期待できる選手が多い。

下の世代を見ても、圧倒的なフィジカルを誇るチェイス・アンリ(シュツットガルト)といった有望株もいる。もちろん、経験値が必要であるポジションであることも確かだ。しかし、前述した選手以外でも瀬古歩夢(グラスホッパー)や町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)など、早々に海外移籍を果たした選手も多い。他のポジションと比較すれば、人材面では最も4年後に不安のない場所と言えるのではないだろうか。


AZアルクマール DF菅原由勢 写真:Getty Images

サイドバック(SB)

4年後未知数なのがこのSBというポジションだ。長年不動の存在だった長友佑都(FC東京)が次回のW杯時には40歳、酒井宏樹(浦和レッズ)は36歳となり、世代交代は急務と言える。今カタールW杯では、怪我で離脱してしまった中山雄大(ハダースフィールド)と山根視来(川崎フロンターレ)が招集されていたが、そのまま世代交代というには長友、酒井という先代2名の存在が大きすぎる。

そこで期待が集まるであろう選手として2名を挙げたい。1人目は菅原由勢(AZアルクマール)。積極的な攻撃参加で外側はもちろん内側に入って決定的な仕事もできる。2人目は中野伸弥(サガン鳥栖)。決して恵まれた体格ではないが、絶妙な身体の入れ方でボールを奪い取る技術と足元正確さは19歳とは思えないほど高いものを持っている。

次期代表監督の採用するシステムや戦術によって、SBの重要性は変わってくるだろう。しかし、今大会招集された選手に加え上述2名の成長がなければ、これまで実績十分の選手がいたポジションなだけに一気にウィークポイントになりかねない。

レアル・マドリード MF中井卓大 写真:Getty Images