在宅での看取りを実現するために重要な3つのこと

住み慣れた自宅で最期を迎えたい。死期が迫っていると感じ始めたら、多くの方が自宅に戻りたいと思うのではないでしょうか。家族やペットなど好きなものに囲まれ、懐かしい香り、風景、ぬくもり。そのような環境のなかで穏やかに逝きたいと願うのは、自然な感情だと思われます。

在宅での看取りでは、残された時間を家族と一緒に過ごせることが本人にも家族にも大きなメリットです。しかし一方で、医師や看護師から離れてしまう不安やご家族の介護負担への気遣いなど精神的な負担も発生します。

在宅での看取りを実現するためには、次の3つが重要になります。

(1)「人生の最終段階をどこで過ごしたいか」についての本人と家族の意思確認 医師から病状の説明を聞き、本人の意思があるときは家族と意思を共有し「絶対に最期は自宅で」という強い意思が大切です。そうでないと発熱や呼吸状態などの変化が起きるたびに「病院に戻ろうかな」「施設を探そうかな」という迷いが生じ、在宅で最期を迎えるという願いを叶えることが難しくなります。

(2)訪問医、訪問看護など医療支援チームの体制整備 具体的に医療やケアをどうするかを決める時には、本人や家族だけで決定せずに、医師や看護師など、医療従事者も交えて十分に話し合いましょう。

在宅体制を整備するうえで最も重要なのは、訪問医とケアマネージャーです。地元の地域包括支援センター、入院中の場合にはソーシャルワーカーに相談してみるといいでしょう。

訪問医とケアマネージャーが決まった後は、訪問看護や訪問介護など在宅サービスをどのように組み込むかを決めます。これらは基本的にケアマネージャーが全て手配をしてくれます。

その際は、働いている家族が主介護者であるなど、家族の介護力を正確に伝え、日々の生活に支障がでないように在宅サービスを組み合わせて利用することが大切になります。

(3)医療と介護が24時間体制で対応可能 看取りにおける医療・介護体制は24時間・365日体制となります。

訪問看護や訪問介護の体制を整えたとしても、毎日の介護や最期の時を看取るのは家族です。在宅サービス事業所が24時間対応している事も重要なポイントになります。

家族は「このまま自分達が寝てしまっていいのか」など、主に夜間に不安や疑問を感じるでしょう。その際にいつでも対応してくれる在宅医、訪問看護は安心につながります。

家族の負担を軽減するために各種在宅サービスを活用しましょう。最近は、休日や夜間にも随時対応してくれる介護サービスや24時間対応の訪問看護サービスなどが利用可能な地域が増えてきています。

これらを上手に組み合わせて活用することで、本人の不安を取り除き、家族の負担を減らしつつ、持続可能な在宅環境を作ることができます。

自宅で利用できる公的支援サービスについて、詳しくみていきます。