ドイツの予選落ちが決まると、カタールの国民は喜んだ。1人のカタール人は独メディアのインタビューの中で、「ドイツ人は傲慢だ。よその国にきて女性の権利とか、性的少数者の権利とか叫んでいた。どの国にも文化と伝統があるが、ドイツ人はそれを無視して我が国を批判した」と述べ、ドイツを追っ払ってくれた日本チームに感謝していた。

一方、ドイツのファンの1人は、「スペインは我が国を救ってくれなかった」と嘆き、怒りをスペインに向けていた。スペインが日本に勝っていたならば、ドイツはグループ2位で決戦に進出できたからだ。いずれにしても、ドイツ代表はW杯の予選で敗北し、ホスト国カタール国民からは「傲慢」と嫌われる、といった散々な結果に終わったわけだ。

南ドイツ新聞は「ハンス・ディーター・フリック監督の辞任」をさっそく要求している。監督のほか、GKのマヌエル・ノイアー選手(36)やFW/MFトーマス・ミュラー選手(33)の名前も辞任候補者に挙がっている。今後、ドイツ代表の再編が急速に行われるだろう。なぜならば、2024年にはドイツでUEFA主催の欧州選手権が開催されるからだ。それまでにドイツが「サッカー王国」を復活させることができるか、それとも世界サッカー界の「Bチーム」という屈辱的な位置に甘んじるのか。

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編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2022年12月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。