日経の内部では、こうした広告営業のやり方に批判的な人も多いでしょう。新聞社の中核は編集記者ですから、「まず読まれない広告、会議、イベント特集」「行き過ぎたSDG教への疑問」「企業資金に依存しすぎた広告集め」「紙新聞離れの一因」という批判があるはずです。

私は日経をもう何十年も定期購読しています。新聞界では、特に政治記事は親権力、反権力に分断され、中立性、客観性に欠けることが多い。その点、日経は自由な立場から記事を書いていて、信頼が置ける。

それだけに経営主導と思われるこうした広告営業を続けていると、産業、企業に対する批判精神が衰弱し、日経の屋台骨である経済、産業記事が劣化いていくのを懸念しています。

編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2022年11月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。