大統領選の3週間前に暴露された「事件」は、「Politico」が21年9月に「一部が事実だった」と報じたが、ツイッターやFacebookなどビッグテックは情報を検閲し続け、「ニューヨークタイムズ」や「ワシントンポスト」など主流紙も、今年初めまでの約2年間、ロシアの偽情報と主張していた。本年8月の「TIPP」の世論調査では有権者の78%が、「事件」を知っていればトランプが勝っていたと答えている。

これは「事件」を「FBI、情報界隈、議会、バイデン陣営などが『偽情報』としたことが有権者に影響を与えた」(TIPP会長談)「自国民に対して使う」情報「秘匿」だ。日本でも「朝日」など主流メディアによる「モリカケ」を始めとする安倍元総理への、あるいは反日的な、「騙し」は枚挙に暇がない。

「恐怖の煽動」も「自国民に対して使うウソ」。国民の自覚が不足している時、脅威が深刻であるとして国民を喚起し、それに対処するために必要な犠牲を国民に払わせることを指す。筆者はその立場に立たないが、防衛費の増額論議で中国の脅威を列挙するなどは、筆者や自民党保守派と逆の立場の者からすれば「恐怖の煽動」ということになろう。

同じく左派が喜びそうなウソに「ナショナリスト的神話作り」がある。自分たちが過去に行ったことを否定したり、逆にやっていないことを恰もやったことの様に主張したりする言説を指す。目的は国民国家の形成や国土維持を果たし、国民の中に民族的アイデンティティを醸成して、国家の正統性を獲得することにある。隣の南北半島国家を思い浮かべると腑に落ちる。

その隣国の「皇帝」がつきそうなウソに「無能の隠蔽」がある。リーダーが自分の失敗のせいで実現できなかった政策を、自己の利益になるようにつくウソのこと。国民全体の利益のための「戦略的隠蔽」というウソもあるが、これは結果的に「無能な人間を守ってしまう」ので、両者の見分けが困難とされる。