クリップオンストロボの良さだけ抽出
最近はカメラが高性能になっているのでクリップオンストロボの出番はかなり減っている。暗くても撮れるし、正面から強い光を当てるのは難易度も高い。おそらく現在もクリップオンストロボを使っているのはウェディングフォトグラファーくらいではないだろうか。
こうした潮流に逆らって見事に使う意義を提案してみせたのが、Lux Seniorだ。「フィルターを使わずにレトロな写真が撮れる」というコンセプトの製品だが、実用においても非常に優秀だった。
まず注目すべきは光の質。正面から強い光を当てるクリップオンストロボは一様に明るく、また影も濃くなってしまうのが常。しかしLux Seniorは柔らかな光で調整次第で明るい中でも陰影の繊細な表現ができる。
さらに影の縁がはっきり現れることなくなだらかにグラデーションになってくれるので、背景が近い場合でも自然に被写体だけを明るくできるのだ。
そして、この品質をこのコンパクトさで持ち運べるのも良い。バッテリー内蔵で満充電すればかなり持つ。筆者は3~4回撮影に持ち出したがまだ1度も充電していない。
ちょっとだけ被写体を明るくして背景と露出を合わせるなど、かなり柔軟に、また繊細に光をコントロールできるので街中スナップにももってこいだ。手軽に持ち出せて、正面から当てても良い感じになるというクリップオンストロボの良いところだけ抽出したような性能はかなり実用的だった。