3番目の「論理と数字が全て」。これは私は違う意味で理解しました。それは自分は嫌われてもよい、ただその使命を果たすのみ、という強い人間性とくじけない精神力のバックボーンだという解釈です。日鉄ほどの規模ですと仮に社内外の反発があればひとたまりもありません。それでも怯みません。
JALを再建した稲盛和夫氏はどうでしょうか?航空産業の「こ」の字もわからない方が突如、経営改革に来るのです。ではその結果はどうでしたか?稲盛氏の強い気持ちが社内を変えたのです。
では反発する力にどう立ち向かったか、といえば橋本氏は「論理と数字」としたわけです。だからトヨタすら組み伏せたのです。稲盛氏は人としてのチカラでしょうか?実は私もかなり不人気な男でチヤホヤされることは100%ありません。しかし、私が役目を仰せつかっている以上、それを全うすることに責任があるのです。正しい形で成果を残すのが使命ですね。だから別に私に人がすり寄ってこなくてもよいし、悪口を言われようが、友達がいなくても関係なしです。相当煙たがられていると思いますが、そういう人は社会に必要だということです。
昭和の経営のイメージは恫喝。灰皿が飛び、机をたたき、大声で威圧しました。これは今のコンプライアンスではアウト。橋本氏は信念を貫くという意味での昭和型の経営者ですが同じ喧嘩を売るにしても売り方がヤクザ的ではなく、有能な弁護士が裁判に立ち向かうような鋭さです。この厳しさになれていない社員さんは大変だと思いますが、そこを突き抜ければまぶしい太陽が見えるとも言えそうですね。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年11月28日の記事より転載させていただきました。