電通は解体的出直しを
広告代理店は学生には未だに響きが良い業種のようですが、往々にして入社してからはボロボロになる人が多いのもこれまた事実。私のクラスメートは人生を電通で走り切ったのですが、この40年弱、彼の疲れ果てた顔を時々見ていると精気を吸い取られたなと思ったりもしたものです。社内自殺者が出るのは社風そのものが生み出す緊張感でしょうか? 逆にそこまでしたからこそ、業界の覇者であったわけです。

bennymarty
ただ、あまり聞かないのは電通出身者が転職後に成功街道を突っ走ったケースです。優秀な人材を輩出する会社は社員が生き生き成長路線を歩める環境を提供したからこそ、どこの会社でも通用できるものです。とすれば電通は社員を使い倒すのがお得意なのかもしれません。
今回五輪談合の仕切り役が同社ではなかったか、という報道が出ています。いわゆる業界の仕切り役はどこの世界にもありました。例えば私がゼネコンにいた時の談合の仕切りは飛島建設だったし、音楽業界はジャニーズ事務所のチカラは圧倒してました。両社とも過去の話です。仕切り役はもう必要ない時代です。
広告代理店という仕事は少しずつ立ち位置を変えていくことになるでしょう。大規模イベントなどは確かに彼らの存在は意味があるし、コーディネーションの出来がイベントの成否を左右します。一方、企業の広告戦略はマスからよりターゲット型になっていく中でどのツールが最も効果的かその経済計算は極めて難しいものです。
私も広告を代理店と打ち合わせ、機関銃のように打ちまくったこともありますが、全部外れたこともあります。企業がもう少し目覚めれば広告代理店の位置づけも変わるでしょう。儲け至上主義の電通は解体的出直しが必要です。