在庫増の懸念
今回の決算発表会で不安視されたのは純利益だった。だが、在庫残(棚卸資産残高)にも懸念がある。
バルミューダは年々、在庫が増加している。
2018年度決算時の在庫は、9億円弱。これが昨年度末(2021年12月期)には25億円に。直近(2022年12月期 第3四半期)では34億円弱と、2018年度の3倍以上に膨れ上がっている。バルミューダは、
販売機会損失を極小化するため。
と、説明している。コロナのリスク回避や、円安の影響もあるのだろう。だが、もし陳腐化した製品が含まれていたら、今後の減益要因だ。売上増加をはるかに超える在庫増であるため、資金繰りも厳しくなる。
今回、掃除機で計上した「評価損」98百万円を「在庫調整」とみる向きもあるが、この程度では「焼け石に水」だ。在庫を精査し、ブランドを毀損しない範囲で処分を進めるべきだろう。
バルミューダはよみがえるか同社のトースターは、韓国では「死んだパンをよみがえらせるトースター」と呼ばれているのだそう。
得意とするデザインとアイデアで、「満身創痍のバルミューダをよみがえらせる」ことはできるだろうか。

BALMUDA The Store Aoyama筆者撮影
【参考・注釈】 ※ 2021年12月期 第3四半期決算説明会資料より 在庫(棚卸資産)は商品・製品のみにて算出