1. 物価水準の意味とは?

    物価水準 = 購買力平価 ÷ 為替レート = 基準年の購買力平価 x 自国の物価変化率 ÷ アメリカの物価変化率 ÷ 為替レート

    このような表記にすると、物価水準は物価変化率の比(図4)を基本形として、為替レートで補正した数値という見方もできますね。

    図5 物価水準OECD統計データ より

    図5が物価水準を計算したグラフ(物価水準=購買力平価÷為替レート)です。(参考記事: 「物価水準」って何だろう?)

    日本は1995年に1.86とアメリカの2倍近くの物価水準に達しています。物価が高いと言われるスイスを上回る水準だったわけですね。

    当時他国から見れば日本は高い国だった事になります。

    しかし、他国の物価が上がる中、日本だけ物価停滞が続いた事でその後物価水準も低下傾向が続いています。

    直近の2021年にはアメリカやイギリス、カナダを下回る水準にまで落ち着いてきている状況です。

    日本は経済水準や人口の割に輸出の少ない国ですが、製造業の海外進出は盛んです。

    一方、他国企業の日本進出は極端に少なく、先進国の中で極端な産業の空洞化が進んでいる国ですね。

    他国は流出と流入が双方向的です。(参考記事: 実は「内需型経済」の日本、 日本製造業の歪なグローバル化)

    1990~2000年代は、日本は他国から見れば極端に割高な国だった事を考えれば、このような事態が進んできたことに一定の納得感があるのではないでしょうか。

    近年ではその物価水準も他国並みになってきたので、日本は既に高い国ではなくなっています。

    この新しい局面に合わせた産業の在り方が見えてくるかもしれませんね。

    皆さんはどのように考えますか?

編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2022年11月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。