1. 購買力平価で換算する意味とは?

    購買力平価でドル換算する意味を考えてみましょう。

    購買力平価 = 基準年の購買力平価 x 自国の物価変化率 ÷ アメリカの物価変化率

    購買力平価換算値 = 名目値 ÷ 購買力平価 = 名目値 ÷ 基準年の購買力平価 x アメリカの物価変化率 ÷ 自国の物価変化率 = 名目値 ÷ 基準年の購買力平価 x アメリカとの物価変化率の比

    現在OECDで公開されている購買力平価は、ある基準年の購買力平価に対して、自国とアメリカの物価変化率の比をかけたものになります。(参考記事: 「購買力平価」って何?)

    つまり、購買力平価換算は、アメリカと自国の物価変化率の違いと関係する事になります。

    まず、各国の物価変化率について、確認してみましょう。

    図3 GDPデフレータ 変化率 1970年基準OECD統計データ より

    図3が各国の物価指数(GDPデフレータ)の変化率です。

    1970年を基準(1.0)とした倍数として表現して言います。

    日本は1990年代をピークにしていったん減少し停滞が続いていますが、他国は基本的に右肩上がりで物価が上昇しています。

    当然アメリカも物価が上昇していますので、次にアメリカの物価変化率との比を確認してみましょう。

    図4 GDPデフレータ 変化率 1970年基準 対アメリカ比OECD統計データ より

    図4がアメリカの物価変化率に対する、各国の物価変化率の比です。

    アメリカよりも物価が上がっているかどうかを表すと考えれば理解しやすいと思います。

    この形が購買力平価の推移と相似形になります。