渓流において必要十分な性能
筆者はこれまで2シーズンをカーディナル33で渓流を釣り歩いてきました。よく目にするこのリールの評価の一つに”ローギアなので実は渓流トラウトには不向き”がありますが、個人的には「?」が付く評価です。
筆者も以前ダイワのレブロス(ハイギア仕様)を愛用していたので渓流ミノーイングでのその有用性は完全同意ではありますが、ではカーディナルがミノーイングに不向きとは思いません。確かに流れの速いポイントをアップストリームで引いていく場面ではリトリーブが少し”忙しく”なりますが、慣れれば問題ないレベルです。また微妙なニュアンスの”食わせの間”を作る時はローギアの方が個人的にやり易いです。
カーディナル33はオートベイルリターンシステムを採用しており、現代のリールのように手動でベールを戻すことができません。その機能のおかげでスピニングリールの基本的な操作、キャストからフェザーリングまでの一連の流れが自然に身に付きます。というより出来なければこのリールを使いこなせないのでこの動作をしっかり身につけることでライントラブル軽減や繊細なキャスティングスキル習得に繋がります。
またノーマルでのドラグ性能はいいとは言えないものですが、ドラグスプリングプレートをもう一枚追加するだけかなり改善でき、現に50cmクラスでベストコンディションのニジマスや遡上アメマスのロケットダッシュにも十分対応できます。
デメリットは?
カーディナルのデメリットのほとんどは慣れで解消できるものがほとんどだと個人的には考えています。が、ノーマルのラインローラーだとライントラブルが起きやすいのは事実です。特にスピナーとの相性は最悪で、クラシックなブレットンやパンサーを使うとヨレまくるので時折ヨレを戻したりする必要があります。裏を返せばその点を常に念頭においておけば問題ありません。
慣れでは解消できないデメリットとして切実なのはベイルスプリングが折れやすいことです。釣りの最中に折れてしまった事もあり予備リールも持ってきて無かったのでそのまま続行した事もありました。この点は強化スプリングに交換しておく事で解消できますが、その作業に専用の工具が必要でこれもまたデメリットと言えます。
特にラインローラーは通常の+-のネジではなく特殊なネジで固定されているので専用の工具を買うか、ドライバーを削って改造したものを使う事で解消できます。とはいえ、何にせよ手間がかかります。