年齢が若ければ「人的資産」がある。
22歳の若者は、向こう40年以上働くポテンシャル(人的資産)を持っており、30代、40代と歳を重ねるごとに人的資産が減少する代わりに金融資産が増えるからだ。
70代になると、多くの人々が人的資産を失うので、その分金融資産が多くなるのは当然のことだ。
とはいえ、金融資産の7割を60歳以上の国民が持っているというのは、いささか偏っているように思われる。
以上のような事実に鑑みると、若年世代や現役世代が不当な扱いを受けているようにも考えられる。
しかし、技術進歩という点を斟酌すれば、高齢世代より若年世代や現役世代の方がはるかに恩恵を受けている。
現在の高齢世代は、交通戦争や公害に悩まされた世代だ。
交通事故死亡者や高度障害を受けた人数は現在に比べて遥かに多く、四大公害病の被害に遭った人たちもたくさんいる。
車の性能や公害排出関連の技術進歩により、現役世代や若年世代はかつてより遥かに安全な生活ができる。
将来的に人工筋肉などの技術が開発されれば、寝たきりになることなく常時自力歩行ができるようになるかもしれない。
急速な技術進歩は、後の世代に多くのメリットをもたらす。
ただ、現在の政治はあまりにも高齢者優遇なのが問題だ。
投票者数の多い世代にメリットを与えて多くの得票を狙おうというインセンティブが働くからだ。
政治的な高齢者優遇を是正するには以下のような解決策が考えられる。
まず、何よりも若年世代が投票所に足を運んで「若年世代の投票率」を上げることだ。