図2には、電力の一次エネルギーに占める割合を世界と国別に示しているが、いずれも10数%程度に留まる。しかし、筆者の計算法に従うなら、この比率は約2倍に増える。ちなみに、日本の場合は「電力シフト」(エネルギー需要に占める電力の比率が高まること)が進んでいるので、補正後の世界平均34.2%を大きく越えて、計算法にもよるが、40%台以上には達しているだろう。

図2
図3には、発電に占める風力と太陽光の比率を示す。英国ではこれが約25%にも達しているが、世界平均では10%程度である。これはすなわち「CO2を出さない発電方式」に転換して行くには、膨大な努力を要することを示す。

図3
図4には風力と太陽光のCapacity Factors, CFが載せられている。これは中身的には「設備稼働率」と訳すべき数値である。すなわち、この設備が全容量で1年中稼働したときの発電量を分母とし、実際の発電量を分子にして表す値である。

図4
太陽光はこの値が低いのが泣きどころで、米国では約20%であるが、世界平均では13%程度に留まる。日本でもこの程度である。風力はこれより高いが、最も高い米国で35%、世界平均25%強である。両者合わせると、世界平均値で約20%となる。この、設備稼働率の低さと、自然エネルギー特有の不安定さが、これらの大幅な拡大に対する大きな困難の元になる(後述)。
ここまでで本文8頁目に来た。まだ先は長い。字数も尽きたので、続きは次回をお楽しみに。
(次回につづく)