新型コロナウイルスに感染した場合に医療保険加入者に支払ってきた入院給付金について、一部の保険会社は、入院給付金の支払い対象者を限定する対応に切り替えた。この対応に、ネット上では怒りの声が続々と上がっている。

入院給付金の支払いを65歳以上の高齢者などに限定

これまで生命保険各社は、医療保険の加入者が新型コロナに感染した際に、自宅やホテルで療養した場合でも、療養証明書などがあれば「入院」とみなして入院給付金を支払ってきた。

ところが、9月26日からは、この「みなし入院」に関して、入院給付金の支払い対象を65歳以上の高齢者などに絞る。具体的に「みなし入院」で給付金がもらえる対象者は、以下の通りだ。

・65歳以上の高齢者
・本来、入院が必要な患者
・妊婦
・新型コロナの治療薬を投与する必要がある患者など

つまり、65歳未満で無症状、または症状が軽い医療保険加入者は、対象から外れることになる。

もっとも、入院給付金の支払い対象者の限定に利用者が納得しているとは言い難い。

Twitter(ツイッター)上では、「65歳以下は休むと給料が減るのに、年金は休んでも減らない。給付金対象外の範囲、間違っていない?」などと制度の不公平さを指摘する声が上がっている。

医療保険の見直しどきか

医療保険・生命保険については、万が一を考えて万全の備えにしておきたいと考える人が多いだろう。しかし家計を考えると保険料負担もよく考慮すべきだ。まずは、不要な保険に加入していないかどうか再検討してみよう。

医療保険の減額は可能か?

医療保険のうち入金給付金については、万が一のときに1日あたりの保険金が高いほうが安心なのは間違いない。しかし資産に余裕があり予期せぬ入院時にある程度貯蓄から支払えそうな場合は、減額を考えてもいいだろう。入院給付金を日額1万円に設定した場合、その分の毎月の保険料は30歳から終身払いならば3,000円程度となる。

例えば50年間支払った場合は、総額180万円となるので入院が50年間のトータルで180日を超えた場合に保険のメリットが出てくるということだ。50年間で180日というのは、単純計算すれば10年間あたりでは36日となる。もちろん健康状態や遺伝的な体質、仕事や家庭の環境などは各自で大きく異なってくるため、一概にはいえない。

コツコツと貯金できるタイプであれば貯金からある程度入院費を払うことも考慮し入金給付金日額7,000円や5,000円のコースを検討してみてもいいだろう。

不要な特約に入っていないか?

生命保険のオプション部分にあたる「特約」は、ついあれもこれもと追加したくなるものだ。しかし追加した分だけ保険料が高くなることは言うまでもない。特に保険の営業担当者に勧められて加入した場合は、不要な特約がないか見直したほうがいいだろう。見直すべき特約として例えば次のようなものが挙げられる。

・特定損傷保険
骨折・関節脱臼・腱(けん)の断裂の治療を受けた際に一時金を受け取れる特約だ。保険料月額500円の上乗せで5万円の一時金というのが目安となる。骨折リスクのあるスポーツをやっているのでなければ多くの人に不要な特約といっていいだろう。

・重度慢性疾患保障保険
心臓ペースメーカーや慢性腎不全、肝硬変、重い糖尿病などで治療を受けた場合に保険金が支払われる。また死亡した場合は、死亡保険金に特約分の保険金が上乗せされる保険だ。万が一を考えるとつい追加したくなるかもしれない。しかしこれらの疾患リスクの少ない生活習慣の持ち主であれば保険料負担を考えて外すことも検討してみよう。

・災害割増
不慮の事故や災害に伴う死亡や高度障害状態となった場合、通常の保険金に加えて保険金が上乗せされる特約だ。事故や災害は誰にも予測できないが、そうしたリスクの少ない環境に暮らしているなら特約を外すことも検討できる。

加入している保険の情報を見直してみよう

新型コロナウイルスの入院給付金に関しては、現在多くの保険会社が支払い対象条件を厳しくしている。しかし、保険会社によって対応は異なるので、一度自身が加入している保険を確認してみてほしい。これを機に、保険プランの見直しを考えるのも良いかもしれない。

文・MONEY TIMES編集部