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ゼロコロナ政策の現状
ゼロコロナ政策 グローバルサプライチェーンにも影響
ゼロコロナ政策の現状
上海では、オミクロン株の拡大などの理由から感染者が急増しており、2022年に入ってからの感染者数は9,000人を超えました。
感染者数増加を受け、3月28日から事実上のロックダウン(都市封鎖)が続いており、市民の大半が外出を原則禁じられています。また、鉄鋼生産都市である河北省唐山市も、3月22日から一時的なロックダウンを実施しています。
一方、オミクロン株は従来型よりも重症化リスクは低いにも関わらず、中国政府が「ゼロコロナ政策」を続けていることについて、国内からも懐疑的な見方が出ています。
中国の著名な憲法学者の童之偉教授が「住民を強制的に隔離施設に移送するのは違法である」との批判をネット上に公表しました。その後、投稿は削除され、アカウントも使用停止の措置が取られました。
ゼロコロナ政策 グローバルサプライチェーンにも影響
ロックダウンが続く上海は国際金融センターであるとともに、多くの多国籍企業の中国本社や生産工場が置かれています。また、コンテナ取扱量世界トップの上海港もあります。
ロックダウンの影響で、中国の主要港の沖で待機するコンテナ船の数は2月から2倍近くに増えています。運転手への厳格な感染対策などで港湾業務は滞っており、入港が遅れているのが原因です。
影響は中国国内だけでなく、サプライチェーンを通じて海外の経済にも打撃をもたらしています。
例えば、スポーツ用品大手のナイキやアディダスなど、世界的な大手企業を顧客に抱える中国の繊維企業の生産に支障が生じています。寧波では、ナイキやアディダス、 ユニクロなどのサプライヤーである、申洲国際集団の生産拠点が1月3日からロックダウンになり稼働が停止しました。
他にも自動車部品の輸出が滞ったことにより、日本や韓国、欧州の自動車メーカーが生産停止を余儀なくされたり、IT製品においても、中国で委託生産を行う企業の出荷が遅延しています。