まとめ

1945年8月15日を境に、日本政府はいくら罵っても反撃してこない存在になりました。それを主導・悪用したのは新聞やNHKラジオでした。しかし、2012年ごろまでのどこかでそのピークはうちました。そのことは、旧来の流れをくむ野党(旧民主党、旧社会党ほか)が陥っている退勢の根本原因ですが、そのことは別の機会に触れて行きます。

私は、いわれなき非難で人をおとしめる言動を残念に思います。それは自分と真逆の考え方の人に対する非難であっても、です。政権を支持するのも批判するのも尊重しますが、その場合には事実に基づく理性的なものであることを希望します。

逆に、攻撃的な政治発言には全く賛同できませんが、だからといってその発言者を事実に基づかない藁人形化で非難することもまた同様に賛同できません。

山口氏は確かに「叩き斬ってやる」という倫理的に問題の多い発言(失言)をしていました。この事実は、これからも氏に付き纏うでしょう。相手に深刻な精神的ダメージも与えかねない“呪詛”を唱えてしまったのですから、自己責任でやむを得ません。しかし文脈から考えて決して「人の生物的な死」を願ったものではないとも思われます。

殊更に氏を論難し、集団による人格攻撃(私刑)に堕することのないよう祈ります。

文・田村 和広/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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