乳幼児が死亡に至る事故や事件は後を立たない。今回は、車内に置き去りにされた事件と、認可外保育園で起きた乳児死亡事故を紹介する。

車内温度は54度に上昇!5時間以上も放置…

気温が上昇すると、自動車内に乳幼児を置き去りにして死に至らしめる、痛ましい事故のニュースが急増する。2022年9月、アメリカのオハイオ州で発生した死亡事故は、若い父親が、まだ赤ちゃんの息子を5時間以上も放置していたという。

19歳のランドン・パロットは、息子のカイラー君(生後14ヵ月)を自動車内に放置して死なせた罪で逮捕された。

ランドンはぐったりしたカイラー君を病院に連れて行ったが、その場でカイラー君の死亡が確認された。ランドンは、自宅のトイレに行くため、幼い息子を自動車の中に置き去りにして、1時間車を離れたと主張した。

彼は、車を離れた1時間のうちに外気温が急上昇したため、息子が死んだという。

しかし、死亡したカイラー君を診た医師は、ランドンの言葉に不審を抱き、地元警察に通報した。

地元警察が捜査したところ、ランドンが映る監視カメラの映像が見つかった。監視カメラの映像には、ランドンがカイラー君を車内に5時間以上も放置していた様子が映っていたという。ランドンの嘘が暴かれた。当時の外気温は31度、車の室内温度は54度にも達していた。

警察は、ランドンが意図的にカイラー君を車の中に放置したとして、殺人などの罪で彼を拘留している。

那覇市内の認可外保育園で3ヵ月の乳児が死亡

2022年7月30日、一時保育預かりの男の乳児(3ヵ月)が心肺停止状態になり、その後搬送された病院で死亡が確認された。

母親が保育園に迎えに行った時点で乳児の体の一部は冷たくなっていた。母親はすぐそのことに気づき、その場で119番通報したが手遅れだった。

乳児の両親は保育園に対して強い不信感をあらわにし、「園には事実を話してほしい」と強く訴えた。

乳児の両親が保育園に不信感を抱いた背景には、事件発生時における保育園の「ありえない対応」があった。

母親によれば、事件当時の乳児は意識も呼吸もない状態だった。しかし保育士は「寝ていたからちょっと体が冷えている」「生きているから落ち着いて」などと言い、事の重大性を理解していなかった。

それが事実であれば、保育園の安全軽視運営が原因で乳児が死亡した可能性が極めて高い。

実は、それを裏付けるできごとが過去に起きている。

この保育園は、事件の前年に那覇市から乳幼児の安全確保について12の改善勧告を受けていた。しかし改善は翌年度にずれ込み、市が改善を確認できないまま乳児が死亡する事態に至った。それもまたありえない対応だと言わざるを得ない。

尊い命を守るためにできることとは

故意に子供を自動車に置き去りにするのは論外だが、親として不注意による事故を防いだり、保育園に預けるうえで気をつけるべきことは学んでおきたいものである。幼く尊い命を守るために、できる限りの安全対策・確認を行ってほしい。

文・MONEY TIMES編集部