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50代以上は頭金を用意する必要がある?
50代でも融資を受けやすくなる2つの条件

50代以上は頭金を用意する必要がある?

そもそも、近年では物件価格の10%程度の頭金を用意していないと、融資を受けることが難しくなっていますが、50代以上においてはこの傾向がより強くなります。

これは、50歳以上の方は数年後には定年退職を迎える人が多く、退職後は公的年金が収入のメインになる可能性が高いため、現役世代と同額の不動産投資ローンの返済が難しくなるリスクが高いと推測されるからです。

また、月々の返済負担を減らすという意味でも、頭金を用意しておくとよいでしょう。

それでは、不動産投資ローンの返済額のシミュレーションを見ながら、仕組みを確認していきましょう。

①完済年齢から逆算するとローン年数が短くなる

完済年齢から逆算して利用可能なローン年数が短くなればなるほど、その分月々の返済額は増加します。

ただし、毎月の返済額が大きい分、元本返済も多くなることから、総返済額はローン年数が短い方が減少します。

【計算例】
金利2%、借入額3000万円、返済期間35年・30年・25年でそれぞれ計算

返済期間毎月返済額総返済額
35年99,378円約4,174万円
30年110,885円約3,992万円
25年127,156円約3,815万円

※金利等の当初の借入条件が一定で変化しないものと仮定。

②融資時の条件に「月々の収支」が影響する

頭金が少ないと毎月のローン返済額が高額になり、月々の収支が悪化するため、長期的な返済が難しくなる可能性があります。そのため各金融機関は、年収に応じて融資額に上限を定めています。

③月々の収支に無理がないようにするため、頭金が必要になる

頭金を用意すると、不動産投資ローンの借入額が減少することから月々のローン返済額が減少します。月々のローン返済額を見て、金融機関から無理のない融資と判断されれば融資を受けることができます。

完済年齢を公表している金融機関はよく見かけますが、必要な頭金の額については銀行ごとに基準を設けているうえ、一人ひとりの状況によって異なります。

ご自身がどのような条件で融資を受けられるのかを不動産会社に相談してみると良いでしょう。

50代でも融資を受けやすくなる2つの条件

金融機関が不動産投資ローンの審査で重視するのは、将来にわたって返済ができる返済能力です。ここから50代以上でも融資を受けやすくなる方法はあるのか解説していきます。

定年時のローン残債分の資産を持っているかがポイント

定年退職時点でローン残債分の資産を持っていれば、50歳以上でも不動産投資ローンの審査にプラス材料に働く可能性があります。

退職金見込額なども、この資産に含むことが可能です。ただし、資産として認められるためには、金融機関に証明となる書類の提出が必要になることがあります。

流動性の高い資産を持っている方が好ましい

保有している資産を不動産投資ローンの審査でプラス材料にするためには、現在の資産状況の証明となる書類の提出を求められる可能性が高いでしょう。

退職金については、勤務先の退職金額を明示している企業は少ないので、証明となる書類の提出は難しいかもしれません。

一般的に不動産投資ローンの審査で、金融機関からの評価が高い資産は流動性の高い資産です。

あくまでも目安ですが、「預貯金」「有価証券」「保険の解約返戻金」「退職金」の4つの資産を評価の高い順番に並べると以下の通りになります。

【評価が高い】預貯金>有価証券>保険の解約返戻金>退職金【評価が低い】

このことから、十分な預貯金を持っていることを証明すれば、審査は比較的通りやすくなると考えられます。