不動産投資を始めてみたいけれど、ご自身の年齢で不動産投資ができるのだろうかと不安を感じていませんか?

一般的に、不動産投資を始めるベストタイミングは30代~40代だと言われています。

20代前半では年収や自己資金が少ない傾向にあり、金融機関の審査が厳しくなるケースも少なくありません。

また50歳を過ぎるとローンの完済年齢に制約が生じたり、より多くの自己資金を投入する必要が出てくるためです。

その点、30代~40代の年齢層は、年収、自己資金などの要件を満たしていることが多く、完済年齢の制約を受けることはあまりないため、運用の選択肢が多い傾向にあります。実際に不動産投資を始めているのも、この年代の人が多いようです。

この記事では、不動産投資の制限を受けやすい年齢や、その理由について解説します。年代別の不動産投資戦略についても解説しますので、ご自身の状況に照らし合わせながら、不動産投資ができるのか検討してみましょう。

目次
現金で購入する場合、不動産投資に年齢制限はない
不動産投資ローンを利用できる年齢は20代後半から50代まで

現金で購入する場合、不動産投資に年齢制限はない

今の年齢で始められる?不動産投資の年齢条件と運用戦略を解説
(画像=『レイビー』より引用)

不動産投資用の物件を購入する方法は、現金購入と不動産投資ローンを利用する方法の2通りあります。

現金で購入するなら金融機関の審査がないため、年齢制限を気にすることなく購入可能です。

一方、不動産投資ローンを利用して購入することで、レバレッジ効果や団体信用生命保険によって不動産投資を生命保険としても活用できるようになるといったメリットがあることから、不動産投資ローンを利用して物件を購入する人が大半です。

なお、不動産投資ローンには、金融機関ごとに契約できる年齢に制限が設けられています。

レバレッジ効果とは

レバレッジとは「てこの原理」のことです。てこを使うと、小さな力で大きな物を動かすことができます。

投資におけるレバレッジとは、小さな自己資金を活用して大きなお金を運用し、大きな利益を得ることを表します。

例えば、自己資金が5,000万円あり、物件価格5,000万円、利回り8.0%の物件を購入したとすると、年間の家賃収入は400万円です。(諸費用や税金、家賃変動は考慮せず)

しかし、同じ物件を購入するにあたり、自己資金1,000万円、残り4,000万円は不動産投資ローンを利用すると、自己資金1,000万円で年間の家賃収入400万円※を得ることができます。(諸費用や税金、家賃変動は考慮せず)

これが、少ない元手で大きな利益を得る、つまり不動産投資でレバレッジを活用する事例です。

今の年齢で始められる?不動産投資の年齢条件と運用戦略を解説
(画像=『レイビー』より引用)

※元金の返済については考慮しておりません。また別途利息を支払う必要があります。

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険(以降、団信)とは、不動産投資ローン返済中に契約者に万が一のことがあった場合、団信より保険金が支払われ不動産投資ローンの残高が0になる保険です。

団信に加入しておくことで、ローン残高なしの不動産を遺すことが可能になるのです。

今の年齢で始められる?不動産投資の年齢条件と運用戦略を解説
(画像=『レイビー』より引用)

不動産投資ローンでは、団信加入にあたり、「80歳までに完済する」などの年齢制限が設けられます。目安として、完済時年齢は80歳から85歳までになるように制限されていることが多いようです。

不動産投資ローンを利用できる年齢は20代後半から50代まで

不動産投資ローンを利用できる年齢には制限があります。その理由も含めて解説します。

金融機関が重視するのは、将来にわたる返済能力

金融機関は不動産投資ローンの審査をする際に、購入しようとする不動産の収益性や担保価値以外に、ローンを利用する本人の属性(年齢、勤務先、職業、年収といった個人の情報)も確認します。

なぜなら、金融機関の審査では契約者の返済能力を重視しているためです。

例えば、契約者が上場企業に勤務していれば、会社が倒産する可能性は低く、ある程度安定した収入を期待できるため、返済能力は高いとみなされる可能性は高いでしょう。

また、医師や弁護士のような社会的な信用度の高い職業も、高年収であることが推測できるため、返済能力は高いとみなされるでしょう。

20代前半は勤続年数が短く返済能力があるかを判断しづらい

2022年4月の民法改正により、18歳から不動産投資ローンを利用可能としている金融機関もありますが、年収などのほかの属性の問題があり、実際に不動産投資ローンを利用するのは難しいでしょう。

また、現在勤務している会社の勤続年数も重視される属性の一つです。勤続年数が長いということは、収入が安定していると判断できるため、不動産投資ローンの審査で有利に働く傾向があります。

そのため、大学を卒業したばかりの20代前半では、勤続年数が短く、返済能力の判断が難しいと考えられています。

目安として、勤続3年目の25歳位から不動産投資ローンは利用しやすくなると言われています。

「完済年齢」という考え方

サラリーマンは、50歳を過ぎると定年退職が近づいてきます。定年退職後は、収入の大半が公的年金になる可能性が高いため、数年後には返済能力が低くなると推測され、審査で不利に働く傾向にあります。

また、各金融機関において、完済年齢を設けているケースがほとんどです。

完済年齢とは、ローンの返済が完了する年齢のことで、金融機関が完済年齢を定めている場合には、この年齢を超える期間の不動産投資ローンは組めません。

例えば、不動産投資ローンの完済年齢を80歳としていると、返済期間中に80歳を超えるような借り入れはできないということです。