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もうひとつの平和祈念像
もうひとつの平和祈念像
ところで、北区のお隣板橋区役所前には、北村西望最晩年の1987年建立された平和祈念像があります。高さ2.5メートルのこの立像は、西望が長崎に依頼された平和像の試作を繰り返す中生まれた『立像試作』をベースに作られたものです。

(画像=<北村西望『平和祈念像』 ©Kanmuri Yuki>,『たびこふれ』より 引用)
長崎平和祈念像は、試案づくりから始まり、最終案の八尺像(約2メートル40センチ)までは西ヶ原のアトリエで作られました。その後、井の頭自然文化園に場所を移し、1954年(昭和29年)4月、原寸大の本体石膏像の完成に至ります。石膏像ができたら、次は鋳造という手順になるわけですが、そのための鋳物工場建設は、周辺住民の反対にあいアトリエのある自然文化園に建てることができませんでした。紆余曲折の末、鋳物工場建設のために西望が土地を買ったのが、板橋区志村中台町です。つまり、長崎平和祈念像の鋳造は板橋区で行われたのです。偶然とはいえ、ここにも何かの縁を感じてしまいます。
北区と長崎、そうして武蔵野、板橋区にも通ずる縁。そのあれこれを感じながら、彫刻散歩に出かけてみませんか?
文・写真・冠ゆき/提供元・たびこふれ
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