皆さんは、港に停泊する漁船に取り付けられてなびいている、色鮮やかな「大漁旗」を見たことはありませんか?

あの旗を作っている工房が神奈川県三浦市にあり、しかも本物の大漁旗と同じ方法で染付け体験ができるというのです。

三浦市というと、まぐろや大根、スイカなどの農水産物や、風光明媚な観光スポットを思い浮かべますが、そんな観光地で染付け体験ができると聞き、興味津々さっそく伺ってみました。

目次 大漁旗って何?
天保4年(1833年)創業の染物屋さん
気軽に染付け体験ができる!
どんな人が体験にやってくるの?
大漁旗染付の特徴や苦労
せっかく三浦に来たからマグロを食べた
三崎周辺は見どころがいっぱい
最後に

大漁旗って何?

【神奈川】三浦の三崎で大漁旗の染付け体験をしてきました!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

大漁旗(たいりょうばた・たいりょうき)とは、その昔は海上の船と陸との通信手段がなかった頃に、船が遠くから無事に帰ってきたことを知らせる合図だったそうです。陸にいる人たちは、大漁旗を見ることで水揚げの準備等を始めたそうです。

現在では、新造船のお祝いに贈られるのが習慣になっているようで、旗には大きく船の名前と贈り主の名前を入れることが主流になりました。また出産、結婚式、退職、誕生日など、人生の節目を祝うための贈答用としても用いられるようになりました。

天保4年(1833年)創業の三崎の染物屋さん

【神奈川】三浦の三崎で大漁旗の染付け体験をしてきました!
(画像=『たびこふれ』より 引用)

今回、染付け体験をしたのは神奈川県三浦市の三崎にお店がある三富染物店です。

三富染物店は、江戸時代から続く老舗の大漁旗製造業者で、神奈川県では唯一、すべての工程を伝統技法の手作業で行っています。

創業当時は、戦(いくさ)の上り旗である戦旗を幕府に納める御用職人だったそうですが、明治の時代に入ってから三崎の漁港が近くにあるために大漁旗を扱うようになったそうです。

大漁旗を染める染物業は機織よりも古典技術で、もち米と糠を混ぜて煮た糊(のり)を、生クリームを絞り出すように布の袋から絞り出して輪郭を木綿の生地に描いていきます。輪郭の内側を絵具で染付をしたあとで洗い流すと、糊が剥がれ、ふちの部分が木綿の白だけ残ります。それを屋外で太陽の光にあてて乾かすこと一週間で大漁旗が仕上がります。

三富染物店

  • 住所:神奈川県三浦市三崎1-10-9
  • TEL:046-881-2791
  • 営業時間:8:00~20:00(不定休)
  • 公式サイト:三富染物店