「lit.link」における英語版と日本語版の違い

——lit.linkの日本語版と英語版ではどのような機能の違いを設けていますか。

小原:グローバル目線で海外にニーズがありそうな機能を開発して英語版に取り入れました。今後は海外で評価された機能が日本語版に追加される流れになるでしょう。

——日本語仕様と異なる英語版をリリースすることで、これまでのファンが離れていく心配はありませんか。

小原:それはあるかもしれません。しかし、日本語を使うのは世界で3%程度なので、失うものよりもグローバル化で得られることの方が大きいと考えています。

——日本ではZ世代の女性ユーザーが中心ですが、海外でもその傾向は続くと思いますか。

小原:lit.linkは、日本ユーザーだけでなく海外ユーザーの目にも「かわいい」と映るように作り込まれています。今後もその路線で仕掛けていくことになるので、日本と同じ展開になると思います。

——流行のサイクルが早いZ世代のトレンドを、どのようにリサーチしているのでしょうか。

小原:彼女たちが好きなものを点で捉えるのではなく、「誰から情報を得ているのか」という情報の経路を押さえることでブレを最小限に留めることができます。

エンドユーザーは、カルチャーの最終消費に回っている人たちなので、それを追ってもすぐ消えてしまいます。日本のトップインフルエンサーが興味をもっていることは、海外のムーブメントが中心なので、情報を先読みして開発し終わった頃に日本でブームが起こる調査態勢を組んでいます。

<著者プロフィール>

小原史啓
TieUps株式会社 CEO兼CDO

1984年生まれ。横浜美術短期大学(現横浜美術大学)卒業。㈱ノジマに入社し、同子会社の責任者や店舗開発・アプリ開発などを担当し、㈱マクロミルでのリサーチとマーケティング経験を経て、株式会社SnSnap(現GENEROSITY)の1号社員として立ち上げと事業開発を行う。広告代理店とメディア事業で独立後、2020年にプロフィール作成ツール「lit.link」、カスタマイズSNS「WeClip」を開発・運営するTieUps株式会社を創業。