除菌グッズが手放せない!

掃除に向かうパターンも手洗いや洗濯と同様です。家にはたくさんの除菌グッズが溢れ、ちょっとでも汚れた気がすると除菌グッズの出動です。外出でも除菌ができるウェットティッシュは手放せません。カバンが重くなろうとなんだろうと、必ず持ち歩きます。

床に落ちたものを触るのが怖い…というパターンもあります。例えば、駅の改札を通過するときに定期入れを床に落としたとします。そうすると、急いでいるときであっても除菌ウェットティッシュを取り出して、定期入れの周りを丁寧に拭き取ってやっとカバンにしまいます。

より重症になると…

ここまではまだまだ軽症の方です。もう少し重症になると公衆トイレを使えない、ドアノブや電車やバスの手すりに触るのも怖い…となってきます。誰がどう使ったか、触ったかわからないので、どれくらい不潔なのか、バイ菌がいるのかわからないからです。一般的に「わからない」は心配を呼ぶものですが、この心配からどんどん悪い方向への想像が膨らむのです。

こうなると外出も一苦労で、社会生活が大きく障害されます。ほぼほぼ常に「不潔ではないか?」と心配するだけで一日を終える事になってしまいます。「清潔である」ことはもちろん重要なことです。ただ、清潔を追求するあまり生活が障害されるのも考えものです。不便のない程度の追求にしておきたいですよね。

次回は確認強迫をご紹介します。

杉山 崇(脳心理科学者・神奈川大学教授)
大人の杉山ゼミナール、オンラインサロン「心理マネジメントLab:幸せになれる心の使い方」はでメンバーを募集中です。
心理学で世の中の深層を理解したい方、もっと幸せになりたい方、誰かを幸せにしたい方、心理に関わるお仕事をなさる方(公認心理師、キャリアコンサルタント、医師、など)が集って、脳と心、そしてより良い生き方、働き方について語り合っています。

文・杉山 崇/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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