効果的なブランドロゴに共通する要素

「一目見ればどの企業の商品か分かる」ようなブランドロゴには、共通する要素が隠されています。
以下では代表的な要素を紹介するので、自社のブランドロゴづくりをする際の参考にしてみましょう。

自社の理念や商品のコンセプトを可視化している

効果的なブランドロゴは、どのような理念を持つ企業なのか、どのようなコンセプトで生まれた商品なのか、可視化できていることが特徴です。
ブランドロゴは、自社が掲げるミッション・ビジョン・バリューを体現する存在として使うこともあります。
ロゴを通して伝えたいメッセージを、最大限に込めるとよいでしょう。

つまり、「ブランドロゴに込められた想いをバックストーリーとして語れるか」が重視されるのです。
なかには自社HPやブランドサイトでロゴに込められた意味を解説している企業もあるので、参考にしてみましょう。

参考:
・コカ・コーラのロゴの歴史 | 日本コカ・コーラ お客様相談室
・あなたは誰?スターバックスの永遠のシンボル 「サイレン」のストーリー

あらゆるシーンで使用できる

ブランドロゴは、HP・パンフレット・Web広告・チラシなどさまざまな媒体で使用されます。
駅や交差点に設置する大きな屋外広告から、従業員が日常的に使用する小さな名刺・名札に至るまで、汎用性高く使用できるブランドロゴが望ましいでしょう。
また、明るい屋外でも暗い屋内でも映えるデザインにすることや、アニメーションを使ったCMなど視覚的にアピールできるブランドロゴにすることも重要です。

汎用性を上げるには、シンプルかつ分かりやすいブランドロゴにすることも意識します。
凝ったデザインになる程、「背景の色と合わない」「拡大・縮小したときに見づらい」などの弊害が生じます。
「一目見ただけで記憶に残る」というブランドロゴならではのよさも失われてしまうので、特に注意したいポイントです。

商標権を侵害していない

自社ならではのオリジナル要素が高いブランドロゴは、他者の商標権を侵害していません。
当然ながら、第三者が有する権利を侵害することのないよう、細心の注意を払う必要があります。

また、「どこかで見たようなブランドロゴ」「〇〇社と似ているブランドロゴ」にすることで却って優位性が損なわれ、凡庸なイメージになってしまうケースもあるので注意しましょう。

他にも、意匠権・知的財産権を侵害していないことも重要です。
同業他社だけでなく世界各国のブランドロゴに目を向けながら、万が一のリスクを考えておく必要があるのです。

ブランドロゴの作り方

ここからは、自社でブランドロゴを作成する際のフローを紹介します。
「ブランドロゴを作りたいが何から着手すべきか分からない…」という方は、ぜひ参考にしてみましょう。

社内でプロジェクトチームを立ち上げる

ブランドロゴづくりのため、社内でプロジェクトチームを立ち上げます。
創業者・社長や役員など限られた経営陣で作成することもできますが、結果的に完成したブランドロゴが社内に浸透するとは限りません。
意見を効果的に集約する必要はありますが、面倒でも多くの人員を巻き込んだプロジェクトチームにするのが理想です。

それでもチーム編成に困ったときは、以下の構成メンバーを参考にしてみましょう。

1. 創業者・社長など自社のミッション・ビジョン・バリューを深く理解している人
2. プロジェクトの進行を管理するリーダー
3. 顧客と直接対面する機会の多い人員(営業職・現場社員など)
4. 市場動向や他社ブランドロゴに知見のある人員(マーケティング職など)
5. 決定後のリリース・社内浸透を担当する人員(広報職・総務職など)
6. デザイン知識がある人員

なお、「6.デザイン意識がある人員」を自社で確保できない場合、専門のデザイン会社などを頼るのもひとつの手段です。
ただし、プロを頼る場合でも必ず自社のプロジェクトチームは発足させておきましょう。
自社の文化がブランドロゴに反映されているかを判断できるのは自社の人員のみであり、多角的な検証が求められます。

ブランドロゴを作る目的を明確にする

プロジェクトチームが立ち上がったら、ブランドロゴを作る目的を明確に定義します。
なぜブランドロゴを作りたいと思ったのか、発案者の狙いを伝えていきましょう。
そのうえで、ブランドロゴを通して叶えたいこと、果たす機能への期待などに関する共通認識を持っておくのが理想です。

「ブランドロゴを作るメリットは多いのでわざわざ確認せずともよい」という想いからつい省いてしまいがちなステップですが、時間をかけてでも念入りに確認するのがポイントです。
例えば、広報、PRに役立つブランドロゴづくりと捉えている人と、インナーブランディング、コミュニケーション向けのブランドロゴづくりと考えている人とでは当然方向性に違いが生じます。
チーム全体の統一を図り方向をブラさないためにも、必ず着手しておきましょう。

ロゴに込めるバックストーリーを明確にする

ブランドロゴは、ただ真新しくシンプルかつ記憶に残りやすいものにするだけでは不十分です。
自社のミッション・ビジョン・バリューやブランド名称に込められた想いを含めたバックストーリーをブランドロゴに込めることが、定着の第一歩になると捉えましょう。
また、「見た人にどのような印象を与えたいか」「100年後も使える普遍的なブランドロゴは何か」など複数の視点に立つことも重要です。
実際にブランドロゴを考案するデザイナーは特にバックストーリーを重視する傾向にあるので、ニーズを明確にするためにも先に可視化しておきます。

デザインづくり・修正

必要な要素が固まり次第、実際のデザイン制作に移ります。
ある程度デザイナーに任せて案を作ってもらい、前項までに共通認識を作った目的・バックストーリーに合致しているかを検証します。

なお、デザインづくりは可能な限りプロのデザイナーもしくは自社のデザイン部に任せましょう。
知識のないメンバーでデザインを決めてデータ化だけを外部に依頼することもできますが、フォント・カラー・サイズ・ビジュアルなど専門的な知見が抜け落ちてしまう可能性が高いです。
要素を詰め込みすぎてしまったり他社と類似したブランドロゴになってしまったりすることもあるので、信頼できる依頼先を見つけるのが大切です。

ガイドラインおよびルールづくり

ブランドロゴが完成したら、ブランドロゴ使用に伴うガイドラインやルールを策定します。
イメージを損なう改変をされたり、意図しない用途で使われたりすることを避けられます。
ガイドラインを明示していないと、いざトラブルになったときに認識の相違により揉めたり却って自社側が不利になったりすることもあるので注意しておきましょう。

既に有名なブランドロゴを保有している企業では、公式HPでガイドラインを公表しているケースが多いです。
他社事例も参考にしながら、社外向け・社内向けともに共通したルールを策定していくことが大切です。

参考:
・Instagram | Brand Portal
・Brand resources – How YouTube Works