日本とヨーロッパのGKの違い
ー現在、福岡はJ2降格の危機(10月18日時点15位)にいます。選手やサポーターにアドバイス、メッセージをお願いします。
セランテス:まず心から『頑張って(日本語で)』ということを言いたい。日本の最高峰のJ1でプレーすると、ベストな日本人選手と戦ったりできるし、とても素晴らしいことだ。もしJ1に残れるとなったときにスタジアムがどれくらい盛り上がるかということを想像して、この際どいときだからこそ自分たちの家族やサポーターへの気持ちを持ちながら戦ってほしい。やればできると信じているよ。
ーJリーグでプレーする日本人GKについて、どういう印象を持っていますか?
セランテス:日本のGKはヨーロッパのGKと違って、結構リスクを取る。とても勇敢で、ボールを持っているときにはとても自信を持っているし、ビルドアップのときにもチームのために繋ごうとする。だけど自分がヨーロッパのGKとして感じるのは、たまにリスクが大き過ぎるんじゃないかな、ということだ。ヨーロッパのGKにとって重要なのは、まず第一に(判断を)間違わないこと。間違えると失点につながるからね。だから他のことはあまり考えずに、ミスをしないことを第一に考えている。でも日本ではリスクを負っても繋ぐことを考えていて、そこが違っていた。ただ、以前は上手くいかなかったかもしれないけど、今の日本人のGKは基礎ができているし、反射神経が良いし、それもGKとしての武器になっている。
ー福岡在籍時に肩の怪我を負っていましたが、影響はありませんか?
セランテス:この質問は好きではないな。僕がアビスパにいた期間で、実際に怪我していたのは1か月だけなんだ。心配してくれる人がいるのはありがたいんだけど、その質問は不要だし、今もとても元気だよ。
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ーJリーグや日本のサッカーは、今もチェックしていますか?
セランテス:今でも追っているんだけど、自分がいる環境やテレビで観られるものを考えると試合全部を観るのは難しい。でも、もちろんハイライトは観ている。あとは例えばフアンマとか、日本に残っている友達に今どんな感じなのか、聞いたりしているよ。
ー日本で訪れた場所で、特に思い出に残っているところを教えてください。
セランテス:休日には必ず新幹線で、日本のいろいろなところを旅していた。特別にここというところはないんだけど、大阪、京都、東京はとても素晴らしかったし、自分が特別な気持ちを抱いたのは長崎や広島だ。原爆の資料館を見たりしてとても悲しい気持ちになるとともに、その場所には気持ちがこもっているということを感じた。心残りは、札幌に行かず雪まつりが見れなかったことだね。でも、たくさんの素晴らしいところに行くことができたよ。
アビスパ福岡、日本への愛情を強く示してくれたセランテス。日本に戻りたいという希望は、決してリップサービスではない。日本でプレーできるよう「お願いします」と日本語で伝えられたことを、ここに記しておきたい。情熱あふれる彼のプレーが、再びJリーグで観られることを期待している。