キャスト方法や狙い方

トリヤマや海面がバチャバチャと騒がしい状況では、誰もがいち早くルアーを投げ入れたいものだ。しかしキャストの開始は船長の合図に従い、後方の安全確認は必ず行おう。また同船者と声をかけ合い、キャストのタイミングをずらすことで、ロッド同士の接触や着水後のルアー絡みも防げる。遊漁船においてはアンダーキャストのみなど、ルールを設けている場合もあるので事前に確認しておこう。

またキャストの狙い位置としては、より遠くに投げて広範囲を探るといったことを基本に、数羽であっても海鳥が飛んでいる下や潮目の境目、海面が周辺よりモジモジしているなどの変化も、エサとなる小魚がたまっているケースが多く、サワラのヒット率が高いシチュエーションといえる。

【2022年】伊勢湾サワラキャスティン入門 シーズン・タックル・釣り方ひたすらキャストを繰り返す(提供:週刊つりニュース中部版 橋本広基)

また明らかにサワラがジャンプしているなど、その存在が目視できる状況では、狙いを絞りサワラの頭が向いている進行方向にルアーを投げ入れる。このように多くのサワラと出会うためには、状況の変化を見逃さない観察力と、キャストテクニックの両方が必要となってくる。

ルアーアクション

アクションは2パターンが軸となる。まずは海面付近を回遊するサワラに狙いを絞り、ジャークアクションでミノープラグを左右に激しく横っ飛びさせ、海面直下へとサワラを誘い出すイメージでアクションさせる。

ロッドの角度は、ルアーが海面から飛び出さないことを基本に、ラインを強くたたくイメージでバシッバシッとロッドをあおり、アクションの間には一瞬の間を作ることで、ルアーにアタックさせるタイミングを意図的に作る。

【2022年】伊勢湾サワラキャスティン入門 シーズン・タックル・釣り方恐ろしいほどのスピードでアングラーを魅了してくれる(提供:週刊つりニュース中部版 橋本広基)

またブレードジグやヘビーシンキングミノーを使った高速巻きも代表的なアクションとなり、表層付近に加え、水深の中層や底をいったん取ってから開始する。巻きスピードは、ルアー回収時などのスピードをイメージし、海面へと飛び出さないことを基本に1投ごとにスピードを変化させることで反応を探る。ジャークアクション同様、一瞬巻きを止めることで間を作りヒットへと持ち込むなども有効なテクニックとなる。

ヒットした際のアタリはガツンッと明確な衝撃が手元まで伝わり、ロッドが締め込まれる。しっかりとロッドをあおりフッキングへ持ち込もう。

ファイトのコツ

フッキング後のファーストダッシュはミサイルが飛んでいくようなスピードで、一気にリールのドラグが逆回転する。まずはサワラの動きが止まるまでしっかり待つことで体力を奪い、その後は巻けるときは巻き、引いたら待つ。焦らずファイトを楽しもう。

そして船べりまで寄ってからが、バラシの一番多いタイミングとなる。再度猛ダッシュによる抵抗があることを念頭におき、ラインが船底で擦られることに注意し、ロッドの穂先を海面に突っ込むなどで対応する。

【2022年】伊勢湾サワラキャスティン入門 シーズン・タックル・釣り方「タモに入ってきてもらう」という意識が大事(提供:週刊つりニュース中部版 橋本広基)

そしてタモ入れ時は抵抗するサワラに対し、強引に引っ張り上げるのではなく、船から離れた際にはロッドの曲がりで持ちこたえ、船に寄ってきた際にのみラインを巻くことで、自然とサワラは浮上する。

また、横走りするサワラの進行方向を変えたいときには、頭の方向にロッドの穂先を持っていきテンションをかけることで、サワラ自らが方向を変えてくれる。このようにタモ入れ時はバラシを軽減するため「タモに入れる」ではなく、サワラを誘導し、「タモに入ってきてもらう」という意識を持つことが大事だ。