現在もなお多くの人々を魅了し続ける日産 スカイライン。日産だけではなく、日本を代表するモデルと言っても過言ではありません。スカイラインの歴史は長く、初代スカイラインの登場は1957年まで遡ります。
その長い歴史のなかで”もっとも売れたスカイライン”が、ケンメリの愛称でもお馴染みの4代目(C110)です。今回はケンメリとはどんなクルマだったのか、また国産スポーツカーの悲劇「幻のGT-R」についてもお話していきましょう。
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ケンとメリーのCMでお馴染み!C110型スカイライン
ケンメリはどんなモデルだったの?
ケンとメリーのCMでお馴染み!C110型スカイライン
多くの歴史的な車名が消滅するなか、日産 スカイラインは1957年の登場から現在まで実に60年もの間、販売しています。現在販売されているV37型は13代目にあたります。その長い歴史のなかで、もっとも売れたのが、1972年に登場したC110型(4代目モデル)通称ケンメリでした。
「ケンとメリーのスカイライン」をキャッチコピーにしたCMが爆発的にヒットし、車両本体だけでなくKen&Maryのロゴ入りグッズも飛ぶように売れました。読者のなかには、いまでも「ケンメリ」の愛称に親しみをおぼえる方も多いことでしょう。
C110型は1977年に生産終了し、5代目モデルにバトンタッチするまでの約5年間で67万台を販売しました。この67万台がスカイライン史上最大の売り上げ台数であり、ケンメリ人気の凄まじさを表しています。
ケンメリが発売されていた当時と今では時代背景が異なるため、一概に販売台数を比較することはできませんが、2019年に最も売れたクルマであるトヨタ プリウスの販売台数がおよそ12万台だったことを考えると、当時のケンメリがどれだほどの大ヒットだったのかがわかります。
ケンメリはどんなモデルだったの?
C110型のスカイラインには、2ドアハードトップ・4ドアセダン・5ドアステーションワゴンがラインアップされています。今では考えられないことですが、ステーションワゴンには商用車登録用のバンまで用意されていました。
このうちGT-Rが設定されたのはハードトップモデルのみ。さらに生産台数が197台と極端に少ないことから、現在では価値が高騰しています。
ハードトップのボディサイズは、全長4,460mm×全幅1,625mm×全高1,385mmで、ホイールベースは2,610mm。4ドアセダンは全高が10mm高いだけで、他の数値は共通。いずれも5ナンバーに区分されるサイズでした。また、このモデルから警察庁のバトロールカーとしても導入されています。