目次
即日退職をする場合の流れ
即日退職の伝え方と退職届の提出方法
即日退職をする場合の流れ

法律通りに問題なく進めるために、事前に上司などに退職の旨を伝え、引継ぎなどをしっかり行う所謂正規の退職の仕方であれば、そこまで気張らずとも申し出て円満な退社に繋げられるでしょう。
しかし、即日の退社となると会社側への負担も少なからず生じますから、どのような流れで踏み切ればよいか分からない方も多いでしょう。続いては、実際の即日退職の流れについてです。
退職の意思を上司に伝える

まずは、仕事を辞める旨を上司に伝える事から始まります。通常の退職の仕方であっても、まずは自分の直属の上司、または先輩などに辞める事を伝えるのから始まりますが、即日で辞めたい場合であってもこの点は共通しています。
この辞めるのを伝えるタイミングについてですが、やはり2週間前までには必ず伝えておくべきです。正社員の場合には、辞める事の申し出はいつでもできるとしても、法律上は最短でもこの期日が必要だからです。
そして退職をする際には当人だけの話ではなく、直接かかわっていた業務については後任への引継ぎ作業を行わなければなりませんし、会社側としてもその後任者の選定や新しい人材の確保などが発生します。

また、退職に伴っての貸与物の返却、諸々の登録情報の抹消などといったように様々な事務手続きも行う必要が出てきます。おそらく、余裕を持たせるのには1~2か月ほどを要しますので、普通の退職の場合にはそれくらい前に申告するのです。
正社員の場合は遅くとも2週間前、というのは最低限決まっているものですが、パート、契約社員などのような雇用状態の場合では自分の状況に合ったタイミングで退職の申し出を行います。
どちらにしても、あまりギリギリのタイミングで辞める旨を伝えるとなると、上司や一緒に働いてきた同僚に迷惑をかけてしまいます。無難に進めたいのならば、期間を理解したうえで余裕をもって申し出てください。
退職日まで有給を消化する

無事に退職を伝える事が出来れば、会社側もそれを無碍に返すことだけはできません。引き止めなどもある可能性は十分に考えられるものの、こちら側の意思が固かったり、個人的な事情があるのなら受け入れてもらえるはずです。
退職が受け入れられた後に関しては、法律にもある通り2週間は会社に在籍している必要があります。これはあくまでも「在籍」であって出勤の必要性はありませんから、有休を使用できるなら消化しましょう。
有給休暇に関しては労働基準法第39条で「雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない」とあります。

すなわち、正社員はもちろんの事、契約や派遣、更にはアルバイトなどのどんな雇用形態であろうとも、有給は必ず付与されるものです。溜まっている分があるのならば、退職を伝えた後に消化してしまいましょう。
ただ、有給を既に使い切っているというような状態の場合、退職日までの扱いを辞めるのを伝える際に伝えましょう。これは、会社に出す退職届の中で明記をしておくのが一般的です。
扱いに関しては実質的な退職日と、契約上の退職日の両方を記載することになります。この内、契約上の退職日については先に述べたようにあまりの有給を消化するか、または欠勤の扱いにしてもらうかを決めます。
退職の手続きを行う

有給をすべて消化しきったら、自分の退職の手続きを進めます。この手続きというのは退職届を会社に出せば終わり、という単純なものではなく、会社への返却物を返したり逆に受け取るべき書類があります。返却物については、主に以下のような物があります。
- 保険証
- 社員証、カードキー
- 名刺
- 定期券
- 会社支給の携帯電話、PC等
- 保有する書類、データ関連
主に返却するものは、入社する際に受け取っていた保険証や社員証をはじめとして、業務で使用していた所謂社用の携帯電話やパソコンといった電子機器、およびデータが該当します。続いて、退職時に会社から受け取るものを以下にまとめました。

- 離職票(転職先が決まっている場合不要)
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
退職をした後には、既に決まっている別の会社への転職をするか、または失業保険を利用しながらの転職活動を行う流れになるでしょう。
退職する際に必要な書類をあらかじめ受け取っていないと、転職が決まっているなら転職先への迷惑をかけてしまいますし、失業保険も受け取れない可能性が出てきますので、忘れずに受け取る様にしてください。
即日退職の伝え方と退職届の提出方法

即日の退職というのは、やむにやまれぬ理由があったとしてもこちら側の都合になりますので、企業側に迷惑は少なからず掛かってしまいます。しかし、それでも個人の都合ですから、おそらくすぐにでも退職の意思を伝えたいところでしょう。
伝え方や退職届の出し方に迷ってしまうところもあるでしょうが、そこまで難しく考える必要もありません。続いては、退職の伝え方、および退職届の提出の仕方についてです。
文書かメールで伝える

まず、退職を伝える方法についてですが、文書ないしメールで伝える方法を取りましょう。というのも、即日で会社を辞めたいというケースではしっかりと形に残るやり方で退職の意思を伝える必要があります。
意思を伝えるのがメールなどで問題ないのか、という不安が出るでしょうが、結論を言えば意思を伝えるだけならメールを使う方法でも法律的な問題はありません。民法627条では2週間前に伝えるべきという期間こそ定められているものの、方法は指定されていません。
仮に会社の就業規則で「契約解消の申し入れをメールで伝えてはならない」といった記述があったとしても、法律の方が効力は上ですから、どんな仕事場であってもメールで伝えてよいのです。

- 退職理由
- 具体的な退職日時
- メールでしか連絡できない理由
- 上司へのお礼の文言
実際にメールで退職を伝える際には、内容としては上記の点を押さえて送るようにしてください。退職をしたいのであって、面談をしたいといった旨ではない点はきっぱりと書き残しましょう。
また、電話を利用するのは推奨されません。企業によっては問題ないところもありますが、しばらく経過してから企業側が勝手に無断欠勤扱いだとして損害賠償を請求してくる可能性もあります。
言った、言っていないの問題は非常にこじれやすいですし、面と向かってはいなくとも電話で会話をするのもおそらくストレスでしょう。その為、メールの方が形にも残りストレスも比較的少なく済むのです。
退職届の郵送での提出の仕方

退職が受理され、会社を辞めるのが決定したのならば、決まった退職日当日を迎えるまでに会社に退職届の郵送を行いましょう。直接上司や関係者に提出しなくとも、郵送を利用する方法で良いです。
この際利用するのは、内容証明郵便になります。これを利用すれば、わざわざ出社する必要もなく正式に退職届を出したとして手続きが進められます。提出するのは退職手続き書類であり「退職届」そして「添え状」の2点セットになります。
まず退職届は、言わずもがな自分が会社を退職する旨を会社に通告する内容を記した書類です。その一方で添え状とは「退職届を郵送する」という、いわゆるあいさつ文の役割を果たす書面です。

これから会社を辞めるのだから退職届だけを出せばよい、というのは社会通念上失礼に当たります。また、退職日当日までの有給を消化して以降の欠勤を願い出る内容についても、添え状の中で記します。
おそらく切羽詰まっている状況ですので準備も手間に感じるでしょうが、一刻も早く退職をするなら手続きの関連書類を迅速に提出するべきです。オンラインではテンプレートがいくらでも手に入りますので、それを利用するとスムーズです。
書類を作成したら、郵便局から先に述べた通り内容証明郵便を利用して送ります。いつ、どんな内容の文書が誰から誰に充てて差し出されたのかを郵便局が証明してくれるのがこの郵便で、メールでの退職を伝えるのと同じくしっかり形と記録に残すためです。